ビーグル犬で実験 人なつっこい犬には共通の遺伝子がある!
イヌがオオカミと違って人に懐きやすいのは、特別な遺伝子の特徴を持っているから――こんな分析をスウェーデンの研究チームが明らかにした。困ったときに人に頼る性格のイヌに共通する遺伝子を探し当てたという。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文を発表した。
研究チームは、共通の環境で育てられたビーグル犬437匹に対し、初対面の女性と同じ部屋に入れ、床の上に置いた透明の容器からおやつを取り出す実験を繰り返した。
容器は三つあり、二つは簡単にふたが開いて中のおやつが取り出せる。残り一つはふたが固定されていてイヌには開けられない。困ったイヌが女性に目で訴えたり、飛びついたりする様子を録画し、人に助けを求める度合いを数値化した。
人に頼る性格のイヌとそうでないイヌ計約200匹のDNAを分析したところ、性格の違いに関係するとみられる二つの領域が判明。この領域には五つの遺伝子が含まれており、そのうち四つは人でも社会性との関連が指摘される遺伝子という。
共通の祖先をもつオオカミは人に頼ることはない。1万5千年以上前にイヌが家畜化され、人とうまくつきあえる遺伝子が進化した可能性があるという。
(ワシントン=小林哲)
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