犬猫の引き取り業者を送検 劣悪な環境で飼育、虐待の疑い
犬や猫を劣悪な環境で飼育して虐待していた疑いがあるとして、栃木県矢板市の犬猫引き取り業者が動物愛護団体から刑事告発された事件で、県警は17日、動物愛護法違反(虐待)などの疑いで業者の男性(61)を宇都宮地検大田原支部に書類送検し、発表した。容疑を認め、「もう少し面倒を見るべきだった。反省している」と話しているという。
県警によると、男性は昨年12月10日~今年2月1日の間、犬や猫を飼育する市内の施設の清掃や汚物処理を十分に行わず、犬10匹と猫5匹を皮膚病などに感染させ、虐待した疑いがある。公益社団法人「日本動物福祉協会」(東京都品川区)が同容疑で矢板署に刑事告発し、県警が捜査していた。
また男性は17日、今年4月5日~5月4日の間、犬1匹に狂犬病の予防注射を受けさせなかった狂犬病予防法違反(未登録・予防注射の未接種)容疑でも書類送検された。県警は男性について、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
男性は子を産ませて高齢になった犬と猫を県外のブリーダーなどから有料で譲り受ける「引き取り業者」。県警や今年5~8月に朝日新聞の取材に応じたこの男性によると、1匹あたり犬は1万~3万円、猫は5千~1万円で引き取り、一部を販売していた。年間で100~200匹の犬猫を譲り受けていたという。
一方、病気の犬は無償で引き取り、もらい手が見つからなければ死ぬまで面倒をみていた、と説明。「俺が引き取らないと、犬や猫は行き場がない」と話し、虐待を否定していた。
(伊吹早織、直木詩帆)
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