カフェもフェスも図書館も、おネコ様 東北でも「ネコノミクス」
カフェにフェスに図書館……。いずれも東北でこの夏、「猫」を主役にして話題を呼んでいる。猫による経済効果「ネコノミクス」はどこまで広がるのか。
仙台市宮城野区に4日、1軒の猫カフェがオープンした。店名は「音々猫(ねねねこ)」。仙台駅西口には2軒の競合店があり、東口を選んだ。アメリカンショートヘアなど8匹と自由に遊んだりエサをやれる空間のほか、猫とは同伴できないが飲食スペースもつくった。店長の高橋沙織さん(22)は「うまくブームに乗れた」と喜ぶ。
3年前に猫専門店にリニューアルした「ペットショップ243(ふしみ)仙台中央店」(青葉区)は、昨夏の売り上げが前年の3倍となり、今もその勢いが続く。多いときで25匹を扱い、価格は15万~25万円。客の7割は一人暮らしの女性で、看護師が多いという。
ペットフード協会の調査では、全国で2015年に飼われていた猫は987万4千匹で、犬の991万7千匹を逆転する勢いだ。関西大学の宮本勝浩名誉教授が試算した猫関連の2015年の経済効果は2兆3千億円。宮城県の今年度当初予算より1兆円も多い。自身も7匹の猫を飼う佐々木広成店長は「犬ほど飼育が大変ではなく、適度な距離感が人気。室内型のペットとして、もはやブームではなく定着した印象だ」。
ブームに乗ろうと、イベントの開催や飼育商品の発売も相次ぐ。
「ネコフェス」と銘打った催しを14日まで開いているのは仙台三越(青葉区)。1階には猫の写真をプリントしたクッションやポーチ、猫形のピアス、ハンカチなどがずらり。地下1階の食品コーナーには肉球の形をしたまんじゅうやクッキーも並ぶ。
百貨店・中合福島店(福島市)も11日から「ふれあいねこ展」を開く。約40種類の猫を集め、ふれあいコーナーも設ける。担当者は「猫好きのお客さんに足を運んでもらって、ついでに買い物もしていただければ」。
岩手県奥州市の胆沢図書館は、特設コーナー「猫ノ図書館」を入り口前に3日開設した。約500冊の関連本をそろえ、来年2月22日の「猫の日」には常設展示にする計画。来館者の増加をねらう。
アイリスオーヤマ(仙台市)は5日、新型の猫トイレを発売した。出入り口を横ではなく上部につけ、猫砂が外に飛び散りにくくした。全国のホームセンターで初年度5万個の販売をめざす。5月にも6種類の爪とぎを投入するなど商品を充実させており、売り上げも伸びている。
(木村聡史)
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