「ピンに会いたい」 つらい8月の記憶

病院通いをしていたころのピン
病院通いをしていたころのピン

 梅雨明けが遅かった東京にもやっと真夏がやってきました。

 熱帯夜とか猛暑日というワードがテレビの天気予報から聞こえてくると、ピンと病院通いをしていた一昨年の8月のことが悪夢のように襲ってきます。

 ペットロスとは、ペットが旅立った直後から、そのショックや記憶が徐々に薄れるまでのことを指すのだとずっと思っていました。

 でも私の場合は、いまでも時折、猛烈に「ピンに会いたい」という気持ちに襲われたり、ピンが息をひきとるまでの病院での様子がフラッシュバックのようによみがえったりするのです。

 今年の東京は、6月中旬から下旬にかけて真夏日になった日が多かったせいで、そのときもピンにまつわる悲しい思い出が襲ってきて、実は元気がありませんでした。

 このコラムをなかなか書くことができなかったのはそのせいです……。

 私にとって「初めての犬」だったピンと過ごした日々は何事にも代えがたく、その思い出の数や種類、内容の濃さは、次女のココや保護犬のハンターとのそれとは、やはり比べものになりません。

 ピンが旅立ってから2年が経つというのに、自分では「去年」という感覚で、ピンのことを思うと必ず涙が止まらなくなってしまいます。

 たまらず、ピンを模して特注したぬいぐるみを抱いて、語り掛けるのですが、当然、返答はありません。私が声を出して泣くとココやハンターが心配してしまうので静かに、こっそり泣くようにはしているのですが……。

 加えて、8月というと、昨年10月に亡くなった父がいっきに弱ってきた時期とも重なります。

 家族も近しい親戚も、多くが健康で長生きであったせいか、こんな年齢になっても“お別れの仕方”が下手な私。情けない話ですが、ピンと父を立て続けに失った悲しみから立ち直れてはいないことが、真夏の暑さによって、わかってしまったのです。

「ペットロス最大の解消法」は新しい犬を迎えることだとよく聞きます。我が家も、ミニピンの保護犬にこだわった大きな理由がそこにありました。

 ハンターは本当にピンによく似ていて、私も夫も間違えて「ピン」と呼んでしまうことがあるほどです。

 でも、やっぱり、ハンターはハンター。ピンの代わりではないのです。

 ピンと父親との悲しい思い出ばかりがよみがえってきてしまう8月が私は本当に大嫌い。25日が父の誕生日、30日がココの誕生日、そして31日がピンの命日……。

 8月という月は、恐らくこの先も、私にとっては忘れられない日々になりそうです。

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『バイキングMORE』『サンデージャポン』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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この連載について
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