ペット店に動物の本、すし店には魚の図鑑…「まちじゅう図書館」
店内などに本を置き、店主が館長となる「まちじゅう図書館」が、群馬県太田市で12月から始まる。東武鉄道太田駅前に市美術館図書館がプレオープンするのに合わせ、本を通しての交流や町歩きを楽しんでもらおうと市が企画した。8月9日に駅周辺の店主など50人ほどを対象に説明会を開く。
まちじゅう図書館は、長野県小布施町立図書館の初代館長を務めた花井裕一郎さんが提唱している。同図書館は地域交流や情報発信の拠点にもなっているという。花井さんは太田市の図書ディレクターとして助言や指導にあたる。
想定しているのは、たとえば、酒店には日本酒などの本、ペットショップには動物の本、喫茶店にはコーヒー、ブティックにはファッション、すし店には魚の図鑑などを置いてもらう。
それ以外、ゴルフや釣りなど店主の趣味や、思いの詰まったお気に入りの本なども。個人宅でも玄関内に置いてくれる人なら館長として歓迎する。
本を並べる書棚は、リンゴ箱のようなあり合わせのものでかまわない。「町歩きの来訪者が寄り道して、本を気軽に手にしてもらい、店主や家人との会話を楽しんでもらえるといい」と市美術館図書館開館準備室の城代富美江室長。本を貸し出すかどうかは店主に任せるという。
太田駅周辺を中心に8月から公募し、12月のスタート時には少なくとも10軒以上は確保したい考えだ。
まちじゅう図書館の店や個人宅には、市のマスコット「おおたん」などをあしらった旗を店先などに掲げてもらい、来訪者の目につきやすいように工夫する。まちじゅう図書館の場所を示す専用マップも作り、利用者に配る予定だ。
8月9日の説明会は、太田駅構内の「駅なか文化館」で午後4時から。花井さんが説明する。問い合わせは市美術館図書館開館準備室(0276・47・1809)へ。
(長田寿夫)
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