プードルも訓練すれば、競技会でタイトルが取れる
プードルの本能ともいえる、賢さや嗅覚。それを活かす機会が、イタズラやおねだりだけではもったいない! トイ・プードルと共にノーズワークなど、さまざまな競技会に挑戦している古本優子先生を紹介しよう。
Text:Shio Kaneko Photos:Teruhisa Tajiri
監修:古本優子先生
※本特集の写真はK9 NOSE WORKのイメージです。実際のトレーニングは専門家の指導を受けましょう。
犬は優れた能力で世界を感じている
プードルの可能性
ノーズワークやトラッキングなど、ドッグスポーツの競技会に挑戦してきた古本先生と愛犬たち。その経験から感じたプードルの可能性についてうかがった。
犬の賢さに振り回されず可能性を引き出そう
ノーズワークは全米をはじめ、北欧やオーストラリアにも広まっている。競技会もさかんに行われているが、その中でもプードルと挑戦する古本先生は、ひときわ目立っていたそう。
「欧米の競技会は大型犬が多く、小型犬も猟犬種のジャック・ラッセル・テリアなどが中心です。でも愛玩犬のプードルだって能力を引き出してあげれば、タイトルを獲得できるんですよ」
愛犬のマノンとフィービーはアメリカの競技会を中心に活躍。末尾の表彰された写真のとおり、優秀な成績を収めているのだ。
マノンとフィービーは母と娘。性質や探索スタイルは似ているのだろうか。
「マノンは新しいことにも積極的で全体的にバランスがとれています。競技会で安定して良い成績を残すタイプ。フィービーは慎重な面もあり、最初は競技会で固まっていたくらいです。経験を積んでからは思わぬ力を発揮するように。一発屋なところがあり、ラブラドール・レトリーバーを抑えて、1位を獲ったこともあるんです」
愛犬と参加した競技会で、特に思い出深かったことは?
「ノーズワークの受賞もうれしい出来事でしたが、トラッキングの競技会で、マノンがタイトルを獲得した時が一番です。トラッキングは、野原に残された足跡をたどり、落し物を探すドッグスポーツです。犬を信じて800mの距離をひたすらついていくという経験は、本当に感動的です。やり遂げて受賞できた時は、『ありがとう』という気持ちでいっぱいでした」
さまざまな競技会やトレーニングの経験から、古本先生がプードルに感じる魅力と可能性をうかがった。
「プードルをはじめいろいろな犬種にいえることですが、賢い犬と暮らすには、飼い主さんが犬の賢さに振り回されないこと。能力が高いゆえに、良からぬこともよく覚え、暇を持て余せばやらなくていいことを始めるんです。だからこそ、犬の能力を発揮できる機会を作ってあげましょう。日本で暮らす小型犬は、犬として扱われていないところもあるように思います。飼い主さんは、プードルの限りない可能性を引き出してあげてほしいですね」
古本先生がたびたび口にする言葉は、「犬は常に正しい」ということ。犬は優れた嗅覚で世界を感じている。プードルをもっと理解するために、すばらしき本能に学ぼう!
トイ・プードルもやればできるで賞!?
監修:古本優子先生
NACSW 認定ノーズワークインストラクター。2009年、アメリカのバージニア州在住中に、K9 NOSE WORK を始める。ワークショップやキャンプに参加すると共に、NACSW 認定ノーズワーク・インストラクターの資格を取得。愛犬のトイ・プードルと競技に出場し、優れた成績を収めている。2016年現在、唯一の日本在住NACSW 認定ノーズワーク・インストラクターとして、国内外のセミナーなどで活躍している。
K9 NOSE WORK JAPAN
●神奈川県横浜市西区みなとみらい4-10-3
●TEL:045-633-3339
Text:Shio Kaneko
愛玩動物飼養管理士1級。防災士。いけばな草月流師範。紙媒体とWebメディアでペット関連記事をはじめ、インタビューやレポート記事の作成を行っている。
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