犬にやさしい床材 ささくれに強い天然木、防虫・防臭効果も
一日じゅう家のなかで過ごす室内犬にとって、滑りやすいフローリングは鬼門だ。特に、トイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフントといった小型犬は股関節が弱く、椎間板(ついかんばん)ヘルニアや股関節脱臼などの病気になりかねない。そんなトラブルを防ごうと、滑りにくいフローリング用の床材が開発された。その名も「犬床」、果たしてその性能は?
開発したのは、床材などの建材メーカー、平川木材工業(福岡県うきは市)。素材はヒノキやサクラなどの天然木で、今年4月に発売した。「犬床」は通常のフローリングに比べて、「滑らない」「ささくれが起きにくい」「毛がたまりにくい」「おしっこに強い」「ノミ・ダニが発育しにくい」の5点を強化した。
例えば、「滑らない」機能は、木材に特殊な塗装を施して実現させた。一般的な床材と比べて、滑りにくさを示す「摩擦係数」は約2倍だ。塗装した表面は耐水性、耐酸性、耐アルカリ性に優れるため、たとえ愛犬が床にオシッコをしても、すぐに拭き取れば変色の心配もない。また、板の継ぎ目の溝を浅く加工したため、犬の毛がたまりにくい。
ペット用フローリングは、これまでにも建材メーカー数社から、合板に特殊塗装を施したものが発売されている。ただ、「犬床」の素材はすべて天然木で、ささくれが起きにくい。さらにヒノキの場合、抗菌作用の高いヒノキオールという成分が含まれており、ノミやダニの発生を抑える防虫効果も期待される。
商品化のきっかけは、会長の一言。「滑るフローリングで暮らす犬は、ヘルニアになったり脱臼したりするらしい。犬用のフローリングを作ってはどうか」と提案があり、息子で営業企画課長の平川典秀さん(35)が全社員や知人らにヒアリング。同様の心配をする人が多く、開発を決めた。約1年かけ、ペットケアアドバイザーの監修下で研究を重ねた。
「コンクリートやモルタルに直貼りすることもできます。加工はすべて自社なので、必要なサイズに応じて特注も可能です」と、平川営業企画課長。新築でもリフォームでも対応できる。
発売から3カ月。動物病院や戸建て住宅ですでに採用され、好評だという。
定価は、ヒノキで1平方メートルあたり9650円、サクラで同1万3650円。21日から、モニター募集のキャンペーンも始める(inuyuka.com/news/monitor/)。問い合わせは同社(0943-77-3185)。施工の申し込みは近くの工務店へ。
(福山嵩朗)
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