ペットフードにシカ肉いかが? 有害駆除獣を加工

増えすぎて有害鳥獣として駆除されたニホンジカを有効活用するため、長野県小諸市はシカ肉をペットフードの原料として販売することを決めた。国内では、エゾシカなどがすでにペットフードとして商品化されているが、長野県内では初めてとなる。市は16日、市内につくった野生鳥獣商品化施設を報道陣に公開した。
施設にはシカを解体してミンチ状に加工する設備があり、加工した肉を冷凍保存することもできる。市が委託した民間の解体作業員が解体する。ミンチやブロック肉をペットフード業者に販売するほか、小諸市の特産品としてペットフードを販売することも計画している。
市によると、昨年度に市内で捕獲されたシカは220頭。捕獲頭数は毎年増え続けており、今年度はこれまでに80頭を超えている。市は小諸市動物園で飼育するライオンの餌としてシカ肉を与えてきたが、餌として消費されるのはごく一部にとどまっている。焼却処分には1頭あたり約1万5千円の費用がかかり、費用負担も大きくなっていた。

市農林課野生鳥獣専門員の竹下毅さんは「シカ肉は低カロリー高タンパクで、犬や猫の餌にも最適」と話す。県外の業者に委託し、ミンチ状にした肉につなぎとして寒天を加えレトルトパックにする。年内にも商品化したいという。
県内では、シカ肉の一部がジビエ料理に利用されているものの、多くは廃棄処分されている。ペットフードの原料として販売するには肉の安定供給も必要となるため、市は周辺自治体にも捕獲したシカの提供を呼びかけていく。
(桜庭泰彦)
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