外猫たちの隠れ家的オアシス・カフェバー
レトロな路面電車、東急世田谷線・山下駅からすぐ、そして招き猫で有名な小田急線・豪徳寺駅からも徒歩数分の場所にあるカフェバー「cafe PICON BER(ピコンバー)」。こちらのお店は開店から20年来、まだ都内にも犬同伴可能のドッグカフェなどなかった頃から犬同伴可なのだとか。
動物好きの店主の宮武一昌(かずまさ)さんはじつは根っからの猫派で、「開店して1年ぐらいはスコティッシュフォールドのヨーダ君がお店の看板猫でいたんですが、だんだんやって来る犬たちの数も増え、おちおち昼寝もしていられなくなったのでヨーダ君は引退しました」と笑います。
その後、ヨーダ君は自宅で余生を過ごし、6年前に永眠したそうです。そして八甲田山の登山途中に運命の出会いを果たしたのが、現在も同居中のキジトラのロク君(16歳♂)。山登りの途中で猫の鳴き声を耳にした一昌さんは、弱っていた子猫を飛行機に乗せて連れ帰り、自宅で飼い始めたというからさすがです。
じつはこちらのお店のオープンテラスには、ドライフードや水用のボールが用意された外猫用のえさ場が設けてあります。今は通称猫おじさんこと、近所に住む西田雅(ただし)さんが一目惚れして朝晩エサをやるようになったキジトラのきじちゃん(推定5~6歳♀)と、長毛種のモッコ君(推定5~6歳♂)がメインでごはんを食べにやって来ているとのこと。雅さんは毎日出勤前と出勤後に欠かさずお店に立ち寄っては、きじちゃんとモッコ君にごはんをあげるのだそうです。
5年前、一昌さんがお店の前にふらりと現れた黒猫にエサをあげたことをきっかけに猫たちが集まるようになり、すっかり外猫たちのえさ場として定着したとのこと。3年前には近隣の住民から苦情が出て困っていたところ、噂を聞きつけたボランティアの女性がすべての外猫たちに避妊や去勢をし、一軒一軒、家を回って地域猫として認めてくれるよう説得してくれたおかげで円満解決できたとか。一昌さんと雅さんの猫好きコンビの強力タッグはもとより、適度な距離感でいい関係を保っている外猫たちとの交流の場に心が和みます。
(取材・平野敦子)
cafe PICON BER
●東京都世田谷区豪徳寺1-45-2
●TEL03-3420-9977
●営業時間/月~土曜14:00~翌2:00、日曜12:00~22:00
●定休日/火曜
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