門脈シャント疑いの猫についてのご質問ですが，アメリカンショートヘアーのメスで体重3.2kgは全く正常であり，発育不全はありません。
ただし，門脈シャントのすべての猫が発育不全や削痩を認めるわけではありません。
重症例では，高アンモニア血症や肝性脳症とよばれる神経症状が認められることがあるのですが，軽症例では必ずしも診断は容易でなく，精密検査を行わないと確定診断できないことも多い疾患です。
門脈シャントの診断のために簡単にできる検査としては，食事前と食事後に血液検査を行い，血中アンモニア値や血清総胆汁酸濃度（TBA）の変化を調べる方法があります。
食後に高アンモニア血症やTBAの上昇が認められる場合には，門脈シャントが強く疑われます。
門脈シャントの疑いがある猫の最終的な診断は，造影CT検査が最も確実ですが，門脈シャントと確定診断された場合には，根治治療には手術が必要であり，門脈シャントの手術ができる専門的な病院を紹介して頂くのがよいかと思います。