健康医療相談

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相談・獣医師回答・コメント

質問主


2月上旬〜
起きた直後や朝の散歩中、朝食前に頻繁に嘔吐をするようになる。嘔吐物は黄色い泡状のもの。
頻度は週に4回ほど。2ヶ月近く、症状が続いている。

2021年1月に腹水が溜まり、下痢便が続き
低タンパク血症、漏出性腸疾患と診断され、
免疫抑制剤、ステロイドの投与開始、
アルブミン、総蛋白の数値も安定して、
現在は2日に1回の免疫抑制剤投与のみ。
フードは、消化器をサポートする低脂肪のドライフードを与えている。

空腹時間が長いことが問題との診察を受けて、
今まで朝6時 60g 夕方5時 60g
与えていたフードを 朝60g 夕方45g 夜10時 45gに分けて与えている。
しかし、嘔吐は改善しない。

慢性嘔吐の原因と
改善方法を知りたい。
過去に麻酔で体調を崩した経験があるため、
内視鏡検査は避けている。
血液検査は低タンパク血症の経過観察で
月に2回ほど、特に異常は見られない。

日時2021-04-05 19:33:01

専門の獣医師からの回答

蛋白漏出性腸症の診断とのことですが,その病態(原因)にはいくつかあり,時には難治性であったり予後不良となることも少なくありません。
通常は,炎症の有無(IBD),リンパ管拡張の有無,リンパ腫の可能性の有無を鑑別するため,内視鏡検査あるいは他の方法で行われる腸生検(病理組織検査)が専門的病院や二次診療では必須となります。
ある大学のグループの研究ではボストンテリアのIBDは他犬種に比べて難治性のことが多く,予後が悪い結果となっています。
飼い主の方が心配されているように,ボストンテリアのような短頭種では麻酔の合併症も多いので,簡単に内視鏡検査に踏みきることができなかったのかとお察しします。
ただ,慢性嘔吐に関しては,病態のコントロールが不十分であることに他なりませんので,低タンパク血症や一般状態が落ちついている時期に内視鏡検査による腸生検を行っておく方がよいのでは思います。
なお,すでに投薬で治療効果が得られている中での腸生検では病理組織学的に軽症に判断されることが多いので検査結果の判断には注意が必要です。
内視鏡検査を希望されないのであれば,とりあえず胃酸抑制剤や嘔吐止めを試してもらうのも一案かと思います。

日時2021-04-08 20:49:55