家に眠るタオルが保護犬猫の毎日を支える 譲渡会で集まった2,548枚
昨年11月に開催された「HEBEL HAUS × sippo保護犬保護猫譲渡会」。その中で実施されたタオルチャリティでは、来場者や旭化成ホームズの社員など約330組から2,548枚のタオルが寄付され、譲渡会に参加した保護団体を中心に5つの団体に届けられました。各団体から「毎日の体拭きに役立つ」などの喜びの声が届きます。届いたタオルがどのように使われているのか、保護団体の皆さんにお話を伺いました。
「わーっ、いっぱい!」と声が上がった日
譲渡会から数日後。横浜市にある保護団体、一般社団法人おーあみ避難所には、段ボールにぎっしりのタオルが届けられました。
「支援いただいた物資は、いつもボランティアさん全員と写真で共有しています。今回のタオルチャリティの写真を見た時には、『わーっ、いっぱい!』と思わず感激の声を上げてしまいました」
担当者はそう振り返ります。
おーあみ避難所のシェルターでは、猫150匹以上、犬20匹以上を保護。健康な子だけでなく、老犬や老猫、病気を抱える犬猫たちが暮らしています。お世話にタオルは欠かせず、「一日に数十枚使うので、まとまった量のタオルを届けてもらえるのは助かります」。
届いたタオルはそのまま使ったり、小さく切ってウエスにしたり。「ティッシュなどの消耗品は買うとコストがかかります。使い捨てにできるウエスは気兼ねなく掃除に使うことができ、本当にありがたいです」
動物保護の現場で、なぜタオルが大量に要るのか
行き場を失った犬や猫を受け入れる保護団体では、フードや医療用品、トイレ用品など日々のお世話に多くの物資が欠かせません。物価高のいま、その費用が団体の運営に重くのしかかっています。
特に犬の保護団体の皆さんが「あればあるほど助かる」と口をそろえるのが、タオル。体を洗って拭いたり、冷えが苦手な子犬や子猫、病気や高齢の子たちを温めてあげたり、さらにケージの敷物や授乳時のシーツ代わりと、タオルはさまざまな場面、用途で利用されています。一方で、感染症などを防ぐためには使い回しができないため、大量に必要になるのです。
各団体に聞くと、次のようなタオルが好まれるといいます。
- 贈答品や景品などでもらったものの、タンスに眠っているもの
- 使用済みでも過度の汚れがないもの
- バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルなど大きさや形状は問わない
- 無地でも色・柄があっても構わない
一方で、「ひどく汚れたタオル、ボロボロのタオルは避けてほしい」と口をそろえます。犬や猫のケアに使うため、においの強い柔軟剤を使わずに洗濯した、できる限り無臭の清潔なタオルが喜ばれるといいます。
タオル寄贈先のひとつ、GUNDOG RESCUE CACIでは、一日20枚程度のタオルを使用しているといいます。「消毒、洗濯し、繰り返し使っています。ただ、病気を持っている犬のケアや、センターから引き取る際には、感染症のリスクがあり使い捨てになります。そのため、常にまとまった数のタオルを保管しています」。体を拭かれることが苦手な犬は、大判で厚さのあるバスタオルが助かるといいます。
「全国でお心遣いに感謝」 保護団体の現場の声は
届けられたタオルやタオルチャリティへの「思い」を、寄贈先の保護団体に伺いました。
■NPO法人アグリドッグレスキュー
保健センターから犬を引き出し、譲渡後の「家族」に近い形にこだわり、個人預かりを中心に43匹の犬を保護しています。また、シニアや病気などで譲渡につながりにくい犬たちを保護する「千のおうち」を運営します。
その「千のおうち」で暮らしていた推定12歳の男の子ワンコ、しょうへいくんは、全身麻酔の大手術を乗り越えました。「術後ケアやトイレに、潤沢にタオルを使うことができました。残念ながら今年6月、しょうへいくんは虹の橋を渡りました。病気と闘いながらも心穏やかに過ごした日々を、思いのこもったタオルが優しく包んであげることができました」
■保護猫カフェねこかつ
行き場を失った猫たちを保護しています。猫カフェに訪れるお客さんたちと触れ合ったり、遊んだりしながら、新しい家族を探しています。一日のタオル使用は10〜20枚ほど。「バスタオルが一番使いやすい」とか。
「タオルは主にケージの中などの敷物として使っています。二つの店舗と二つのシェルターにいる250匹もの猫たちに存分にタオルを使うことができています。お心遣いに心から感謝いたします」
■GUNDOG RESCUE CACI
主にセッターやポインターといった鳥猟犬に特化し、新しい家族につなげる活動をしている団体。鳥猟犬が使い捨てにされる現状を広めながら、保護活動を続けています。現在は19匹の犬たちを保護しています。
「毎日の体拭きに役立っています。感染症などでタオルを共有できない場合でも、気兼ねなく使えて本当に助かっています。全国でご支援くださった皆様に、感謝しております」
■一般社団法人おーあみ避難所
「今回のタオルチャリティは、保護活動に敷居の高さを感じている方々にとって最初の一歩となる取り組みです。どなたでも無理なくできることから始め、その積み重ねが活動の輪を広げていくことにつながればとてもうれしく思います」
「アクションを起こすきっかけに」HEBEL HAUSの思いと、今年の譲渡会
タオルチャリティは、3回目を迎えた2025年の譲渡会で初めて実施されました。保護犬猫をお迎えするのはハードルが高くても、来場者の皆さんや社員が気軽に参加でき、ペットに関する社会課題を自分ごと化してもらえるアクションにつながれば……。旭化成ホームズの社員たちは、そんな思いで、タオルチャリティを企画したといいます。
社内で呼びかけたところ、130人以上の社員から1,621枚のタオルが寄付されました。自主的に周囲の社員を巻き込みながら参加した社員もいるなど、支援の輪が社内で広がったといいます。譲渡会当日は、13人の社員ボランティアが運営やタオルの仕分けに加わり、来場者にタオルチャリティの意義を説明して寄付を呼びかけました。
そうして集まった計2,548枚のタオルを仕分けし、翌日には保護団体へ発送。山積みのタオルを前に、企画した担当者は、「『犬や猫の保護活動の役に立ちたい気持ちがあるがきっかけがない』『踏み出せない』という方はとても多く、そのきっかけ作りができた。やってよかったと感じています。タオルの寄付という小さな行動が、保護犬猫や保護団体の役に立ち、また人と人とをつないだことをうれしく思います」と話します。
旭化成ホームズは、「ペットも家族の一員」として四半世紀以上前からペットの研究をし、住まいだけでなくペットとの暮らしや、ペットとの共生社会の実現にむけた活動を続けています。2024年からsippoと共催で保護犬猫譲渡会を開催し、ペットに関する社会課題の解決にも向きあっています。
今年も11月29日(日)に「HEBEL HAUS × sippo保護犬保護猫譲渡会」を朝日新聞社東京本社で開催し、会場でタオルチャリティを実施します。1枚のタオルから保護犬、保護猫を応援するーー。そんなタオルチャリティに、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか?
- 開催概要
「HEBEL HAUS × sippo保護犬保護猫譲渡会」
日時:2026年11月29日(日)譲渡会10時30分~16時10分/トークセッション13時~14時
場所:朝日新聞社東京本社
(譲渡会:本館2階 読者ホール/トークセッション:新館2階 浜離宮朝日ホール・小ホール)
参加団体:一般社団法人おーあみ避難所、保護猫カフェねこかつ、NPO法人アグリドッグレスキュー、GUNDOG RESCUE CACI、一般社団法人さかがみ家
▶「HEBEL HAUS × sippo保護犬保護猫譲渡会」の参加申込フォームはこちら
■タオルチャリティについて
譲渡会の会場で、保護犬・保護猫のお世話に使うタオルの寄付を受け付けます。集まったタオルは、保護団体にお届けします。
募集しているタオル:新品、または使用済みでも汚れのひどくないタオル(バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルなど)
受付期間:2026年11月29日(日)実施の保護犬保護猫譲渡会当日、会場にて
寄付先:一般社団法人おーあみ避難所、保護猫カフェねこかつ、NPO法人アグリドッグレスキュー、GUNDOG RESCUE CACI
(文・中津海麻子)
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