保護犬も生きづらさ感じる子も、一緒に成長できる居場所を 新シェルターへ支援募る
茨城県神栖市を中心に動物保護活動に取り組むNPO法人「わんにゃんレスキューOHANA」が、新シェルター建設に向けて支援を募っている。保護した犬にとって快適な場所であることに加えて、地域の子どもたちの居場所になることも目指す。支援募集は3月31日午後11時まで。
「収容される犬をゼロに」
動物保護団体のボランティアを続けていた代表の松本恵美さんが、2021年に活動をスタートし23年に法人化した。活動をスタートした当時、神栖市は茨城県の中でも動物指導センターに収容される犬の頭数が県内で最も多かったという。
そこで、2022年から行政や地域住民、動物保護団体と協力し、神栖市から収容される犬を5年でゼロにしようと取り組みをスタートした。収容される前に野犬を保護したり、正しい飼い方の啓発活動をしたりするなどを続けてきた。すると神栖市から動物指導センターに収容された犬の数は、2021年度は119匹だったが、2023年度には47匹まで減らすことができたという。
一緒に成長できる居場所を
取り組みを続ける中で、課題にも直面した。保護した犬たちが暮らす場所の確保だ。22~24年に200匹以上の野犬を保護しており、代表の松本さんの自宅やボランティア宅などで常時10~15匹を保護しているが、スペースにはどうしても限りがあることだった。
活動を続けるなかで、松本さんの中にはもう一つの思いがあった。活動を支えるボランティアメンバー54人で、小学生から60代まで地域のさまざまな人たちが参加している。ボランティアに参加する小学生や中学生の中には、「実は学校に行けていないんだ」と打ち明けてくれる子が何人もいたという。活動を通じて、子どもたちが学校に行けるようになったり、人前に出られるようになったりと、変化し成長していく姿も目の当たりにしてきた。
松本さんは、犬や猫のお世話を通じて、ありのままでいいことや必要とされることを実感してくれたのではと考え、子どもたちが自分らしく成長できる環境をつくりたいと思うようになった。犬と子どもたちが一緒に成長できる居場所づくりは、人も犬も幸せにできる新しい保護活動の形なのではないかという思いを持っている。
そこで今回、新しいシェルター建設することを決めた。現在は倉庫になっている納屋を改修してシェルターとする費用の一部を、クラウドファンディングで募る。犬たちが快適に過ごせる場所にすることに加えて、子どもたちの居場所にもする予定で、犬たちには「人に認められ、愛される場所」を、生きづらさを感じる子どもたちには「自分らしく成長でき、必要とされる場所」を目指す。支援はこちらのサイト(https://readyfor.jp/projects/kamisu-ohana2025)から。
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