ペット探偵に頼り5日間の捜索の末に保護! 愛猫「とも」の迷子で得た教訓

いつもくっついてる「とも」がいなくなって、仕方なく「福」にくっついて寝る「もえ」

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット作をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元保護猫の「とも」「もえ」と暮らしています。

(末尾に写真特集があります)

「とも」、まさかの迷子に

 じつは先日、我が家の元保護猫「とも」が家出してしまいました。本当にとーさんのうっかりミス、ちょっと猫の本気をみくびっていたなということなんですが、とにかく焦りまくりました。

「猫ってふらっと出かけていっても、ちゃんと帰ってくるでしょ?そんなに心配しなくても大丈夫」という人もいますが、実は迷子になって自力で帰って来られる猫は案外少ないそう。特に外猫経験がほとんどない子がうっかり外に出てしまい、運悪く他の野良猫や犬などに驚いてパニック状態で逃走してしまうと、自分の家の場所を認識できなくなってしまうそうです。

無事帰ってきたあとは家の中ですぐにリリースせず、いったんケージで隔離。念のためノミ・ダニ駆除の薬も塗布。やれやれ……

 結局、うちのともは日曜日の夜に行方不明になって、月曜に「情熱大陸」でも取り上げられた、ペット探偵の藤原博史さん(ペットレスキュー)に依頼。5日間の捜索の末、無事、金曜日の夜に保護。その顛末はとーさんのインスタグラムにも詳しく書きましたが、今回はこの経験を通して身をもって感じたことをまとめておきたいと思います。

捜索は早ければ早いほどいい

 さっきの話と重なりますが「そのうち帰ってくるでしょ」と思っていたばかりに、初動が遅れて捜索が難航するケースが多いそう。脱走してすぐなら、まだ家のそばに潜伏している可能性が高いので発見率は高くなります。動物愛護センター、保健所、管轄の警察署への連絡も忘れずに。

猫の行動傾向を知る

 猫は一気に道路に飛び出したりせず、まずは体を隠せるような壁沿いに移動することが多い。

 全身を外敵にさらすほど猫にとって危険なことはありません。本能的にそれがわかっているから、外に出た際に自宅の壁沿いに移動していくことが多いそう。その途中に身を隠せるような場所があれば、そこで発見できる可能性があります。また、脱走当初は日中よりも夕方から明け方の暗い時間帯に移動することが多いようです。

チラシは特徴がはっきりわかるように

 今回、最初にペット探偵の藤原さんからインタビューを受けてチラシ作成のために写真を提出した時には、かなり気が動転していたこともあって、特徴がしっかりとわかる写真を選ぶことができませんでした。

 そのチラシをポスティングした夜に捕獲した猫ちゃんは、ともにそっくり、でも別の猫。なんと調べてみると、とーさんの家の界隈(かいわい)だけで野良のハチワレが数匹確認できたのです。これでは、もっとはっきりと特徴をチラシに明記しなければ目撃情報を集めてもかえって混乱するだけ。

 ということで、チラシを作り替えることになりました。

左が最初に作った特徴がわかりづらいチラシ、右が作り直したもの。判別のポイントになる特徴を明記

 作り直した方にはひじの黒い柄、首元のえりまきなどしっかり特徴を書きました。これによって、藤原さんもより効率よく探すことができました。

自宅の位置を知らせるための目印

 好きな食べ物やご飯の合図。トイレの猫砂、同居している動物たちの匂いなど、自宅の位置を知らせるための目印を置く。

 これは本当に痛感したのですが、もっととものことをしっかりと記憶しておくべきだったと。いったい何が好きで、どんな音に反応して、どういう行動をとるのか。いつもしっかりと見ているようで、見ていない自分を責めました。

捜索期間中、数台しかけた暗視カメラのうち1台が、ともの姿を捉えた!

 それでも、毎日時間になると給餌機(きゅうじき)からフードが出てくる時にするカラカラカラという音には絶対反応するはずだと思って、その音をさせながら外を歩きました。仲良しの妹猫「もえ」の鳴き声をレコーダーに録って、匂いのついたラグを外に置けばおびき寄せることができると思いましたが、そう簡単ではありませんでした。

 藤原さんによれば何度か自宅近くまでそーっと見に来るそぶりがあったようなので、自分が帰りたい場所はわかっていたようにも思いますね。

やはりプロはすごい

 今回、とてもひとりでは探し切れなかったと思います。もちろん、お願いした藤原さんほどの腕前の探偵さんとて、発見できない時もあります。それでも、やっぱり踏んだ場数による「探偵の勘」、これは本当にすごいと実感しました。

ペットレスキューの藤原さんと捕まえられたとも。安堵

 広大なエリアからの居場所の絞り込みと特定、近隣への聞き込みのポイント。そして今回、うちのともは非常に警戒心が強く、トラップの餌にほとんど口をつけませんでした。そんな時の対処法も引き出しとして持っているのはさすがです。

 ほんと、見つかったからこんなことが書けているということなのですが、どうぞみなさんもお気をつけて。くれぐれも脱走にはご注意くださいませ。

(次回は5月20日公開予定です)

【前の回】ぴったり寄り添いひたすら待つ 偏食の元保護犬「福」も誘惑に勝てない食べ物とは!?

小林 孝延
編集者・文筆家。出版社在籍中は『天然生活』『ESSE』の元編集長、『ハニオ日記』石田ゆり子著ほか、ライフスタイル系の雑誌・書籍を多数手がける。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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