猫「にゃんこ先生」へ、1日でも長く一緒にいてね 〈お手紙コンテスト入賞〉

三毛猫
にゃんこ先生

 sippoが主催した「みんなイヌみんなネコお手紙コンテスト」から、入賞作をご紹介します。

猫:にゃんこ先生
飼い主さん:さっちん

 にゃんこ先生、愛してるよ。だからもう少し長生きしてね。

 子供の時から猫が大大大好きだったけど、団地住まいで飼えなかった私。29歳で結婚してからもマンション暮らしだから飼えなかった。32歳で離婚して人生2回目の一人暮らしのアパートはたまたま猫飼育可能物件だったけど、その頃は自分の生活にいっぱいいっぱいで、猫のことなど考える余裕すらなかった。

 やがて生活も落ち着いてきて、近所のペットショップに猫を見に行った。狙いはアメショーだ。性格も穏やかで甘えん坊。でも値段を見ると30万はする。とても飼えないや。それでも諦めきれなくて毎日ペットショップに通っていた。

 その頃私は、とある社会人バドミントンサークルの代表を務めていた。ある日、その中の一人の男性メンバーから、とても可愛い三毛猫の子猫の写真が送られてきた。なんと、彼の会社の敷地内で産まれた野良猫で、社内で引き取り先を募集していたそうだ。彼は真っ先に私のことが浮かんだらしい。私はその場で飼うことを決めた。

 その日の夜、段ボールに入っていた子猫は猫ではなく、まるでネズミのように手のひらに乗るぐらいの小ささで、まだ目も開いていなかった。はああ、可愛い。それから私の育児(育猫)生活が始まった。ミルクをあげたりトイレの世話をしたり。

 私のことを母親だと思っているのか、トイレにもお風呂にもついてくる。姿が見えなくなると心配になる。あまりにも小さいので、私が踏んづけてしまわないかも心配になる。ある日、台所のフキンをキッチンハイターにつけたまま、出勤してしまった。間違えてその水を飲んでしまったらどうしようと気が気でなくて、その日は会社を早退した。

 本当に可愛くて、仕方ない。私の心の支え。そうそう、なぜ名前が『にゃんこ先生』なのかは、子供のころに放映されていたアニメからぱくりました。猫を飼うなら名前はそうと決めていた。インパクトのある名前。動物病院でも名前を呼ばれるとき、ちょっとだけうれしいし、すぐ覚えてもらえる。

 性格はご存じ、ザ・三毛猫だ。キツいキツい、ツンデレ。名前を呼んでも来ない。ましてやひざの上に乗って甘えてくるなんてあり得ない。寝る時も布団には入らず、足元にちょこんといるだけだ。抱っこもあまりさせてくれない。

 でもそれがいい。その距離感で良いのだ。だって相手は『にゃんこ先生』私は『下僕』だから。でも母親でもある。しつけも大事だ。まあ、お世話させていただいています。

 やがて『にゃんこ先生』が6歳のお誕生日を迎えた頃、彼女にお父さんができる。そのお父さんとは、そう、にゃんこ先生を連れてきたバドミントンサークルの彼である。

 私はその彼と交際を始めた。あとから聞いた話だが、彼は私のことが最初から気になっていたようだが、話しかけるきっかけがなく、そんな時に偶然にゃんこ先生との出会いが私と縁をつなげてくれたようなのだ。

 これには本当に驚いた。まさしく猫がキューピッドになった、らしい。2年の交際期間を経て、私たちは3人家族になり、彼の実家近くに念願の新居を建てて暮らし始めた。

 彼もにゃんこ先生にメロメロだ。いつも帰宅が遅い彼は私が先に寝ていてもにゃんこ先生だけは起きて待っていてくれるのがうれしいらしい。だから夜食と称してついつい餌をやる。夕飯をあげたあと、21時ごろに夜食を食べるからまあまあ太ってしまう。でも猫は痩せている猫よりそこそこ丸いくらいが可愛いので、これはこれでよしとしよう。

 あれから15年。にゃんこ先生は人間でいうと、77歳になった。実は今年に入り、乳がんが見つかってしまい今は闘病中だ。まだ食欲もあり元気だけど、いつかはお別れがくる。考えたくない。どうか1日でも長生きしてね。愛してる。

◆「お手紙コンテスト」の受賞作は、こちらのページからもご覧いただけます。

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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