動物虐待事件、右肩上がりで過去最多 SNSで気づくケースも
動物を虐待したとして、昨年1年間に警察が動物愛護法違反で摘発した事件は105件、逮捕・書類送検したのは126人だった。前年より21件、32人多く、こうした統計を取り始めた2010年以降で最多だった。警察庁が26日発表した。第三者からの通報が端緒の事件が増えたという。
動物虐待事件は右肩上がりで増えており、昨年は5年前に比べると2.2倍になった。虐待された動物は猫(66件)と犬(27件)で約9割。ほかは馬、ウサギ、タヌキ、ニワトリ、フェレットなど。内容別では、生きたまま捨てる「遺棄」が49件、えさを与えなかったり劣悪な環境で飼育したりする「虐待」が36件、「殺傷」が20件だった。
逮捕は5人。概要は、別居している妻の飼い犬の頭部を殴り殺害▽飼育するインコに避妊具をかぶせて動けないようにした上でライターを押しつけたり放り投げたりした▽野良猫を地面にたたきつけて殺害――などだった。
第三者からの情報で警察が認知した事件は63件。前年よりも10件多く、全体の6割を占めた。ほかは、動物愛護団体や自治体、容疑者の身近な人からの通報だった。容疑者がSNSに公開した動画で気づいたケースもあったという。警察庁は「情報発信のツールが増えたことが、摘発増加の背景にあるかも知れない」としている。
動物愛護法は、愛護動物をみだりに殺傷した人に2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科している。6月からは、5年以下の懲役か500万円以下の罰金に強化される。虐待と遺棄の罰則は、現行の100万円以下の罰金に、1年以下の懲役を加える。
(八木拓郎)
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