愛猫と遊べば疲れ忘れる 清水ミチコさんと「アケビ」「チビ」
動物は何でも好きという清水ミチコさん。特に猫と遊ぶ楽しさは格別のようです。そんな
毎日について語ってくれました。
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動物は昔から何でも好きです。小さいときは犬や猫を飼っていましたし、お祭りではヒヨコや金魚を買うことも。飼育委員も何度もやりました。人生において、ペットがいないということがあんまりないんです。それで、もう12年前になるのかな、猫を飼いたくてペットショップに行きました。その当時は保護団体も全然知らなくて……。そこで出会ったのが、アビシニアンのアケビ(通称アビ)です。
仕事で夫婦が家を空けることも多いから、泊まりのときにアビが1匹だとかわいそうだなと思っていたところへ、保護猫のいる場所で対談の仕事があったんです。そこにいた一匹の猫がかわいくて、引き取ることに決めました。保護団体の方が色々とチェックしに我が家に来て、「この家ならよろしい」と(笑)。そうして来たのが、今、7歳のチビ。両方とも女の子です。
猫にも丁寧な黒柳さん
留守中に1匹だとアビがかわいそうだろうという私の優しい気持ちに反して、この2匹が仲が悪いんですよ(笑)。チビはなんとかなつこうとして、アビの後ろからそーっと近寄るんですけど、そのたびにアビがものすごく怒る。時間が解決するかと思ったけど、ダメですね。
性格も違います。アビはクールだけど、チビは家族にべったりで、他人が家に来ると姿を消します。逆にアビは、お客さんになつきはしないけど、「なでるならどうぞ」という感じで。
そういえば以前、家に黒柳徹子さんが来たことがあるんです。黒柳さんがお帰りになるというので、私が2階へコートを取りに行っていたら、下から「ありがとうございます。でももう、おいとましなくちゃいけないので、これで失礼します。ごめんなさい」と聞こえてきて。てっきり私は誰か家族が帰ってきたんだと思っていたら、黒柳さん、アビとしゃべっていたんです。猫にも分け隔てなく、とてもきれいな言葉づかいでした。
猫がいいのはこびないところ
猫を飼ってから、たとえば人間関係で疲れていても、無心になって猫と遊んでいると、いつのまにか忘れています。あと、この年になると夫婦の会話なんてなくなってくるものですけど、猫の爪切りは夫婦の共同作業です。夫が猫をつかまえていて、私が切る。そうそう、チビは私になついていて、夜寝る時も私のそばで寝たりするんですが、アビは夫になついている。食事のときによく夫の膝の上に来ています。私になつかない動物は初めて。びっくりです。
不思議なのは、私が家でモンゴルのホーミーの物まねをすると、アビがものすごく喜ぶこと。「それ何? もう一回やって」っていう感じで、ずっとついてくるんですが、チビは逆で気持ち悪がる(笑)。
猫がいいのは、媚びないところですね。私は犬も大好きだし、今でも犬を飼いたいと思っていますが、犬ってものすごく人間に希望を持っているじゃないですか。信じているというか。それに応えられないのがつらい。その点、猫は自分のことしか考えてない。甘えてくるときも、自分が甘えたいから来るわけで。それでも、家に帰ったときに、アビたちが迎えに来てくれるのはうれしいものです。
(構成 編集部・大川恵実)
- しみず・みちこ/岐阜県高山市出身。1983年、ラジオ番組の構成作家としてデビュー。「笑っていいとも!」の出演で全国区に。ライブコンサートも好評で、年末年始の武道館公演も毎年恒例となっている
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