ペット増えすぎ、環境省が対策指針作成へ 飼い主社会的孤立も
ペットのイヌやネコが世話できないほどに増え、悪臭や騒音で近隣とトラブルになる例が相次いでいることから、環境省はこうした事態を未然に防ぐための自治体向けのガイドライン作りに乗り出す。近く専門家による検討会を立ち上げ、議論を始める。
ペットが増えすぎて飼い主が対応できなくなった状態は「多頭飼育崩壊」と呼ばれる。昨秋には、名古屋市の市営住宅で約40匹のネコを不衛生に飼育したとして、飼い主が動物愛護法違反の疑いで書類送検されるなど問題となる例が各地で出ている。
環境省はこうした事態を未然に防ぐため、過去の事例を分析し、多頭飼育崩壊に陥る兆候やその際に自治体でどんな対応ができるのかといった予防策や、実際に起きた場合のイヌやネコの保護などの対応策などをまとめる。
また、対応できないほどペットを飼ってしまう飼い主は、社会的に孤立していたり、心の病などを抱えていたりと、福祉的な支援が必要なケースがあることも指摘されている。このため、自治体内での動物愛護部局と福祉部局の連携や、地域社会との協力の在り方なども検討するという。
環境省の2016年度の調査では、イヌやネコの2頭以上の飼育に対し、自治体に複数の苦情が寄せられた事例が全国で2199件あった。悪臭(809件)や騒音(515件)などが多かった。汚物や人への危害といった苦情もあったという。
増えすぎて飼いきれなくなったペットを自治体が引き取ったものの、次の飼い主が見つからず、結果的に殺処分される例もあるという。環境省動物愛護管理室は「多頭飼育崩壊を未然に防ぐことで、殺処分も減らしていきたい」としている。
(川村剛志)
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