猫砂の段ボール箱がハウスに変身 大ヒットし、フードにも拡大

 猫砂が入っていた外箱の段ボールで、手軽にキャットハウスが作れる――。そんな商品をホームセンター「カインズ」が発売したところ、SNSで話題になり、売り上げが一気に4倍に増えた。猫砂での大ヒットを受け、今度はフードにも箱売りの商品を拡大。「もったいない」「猫と楽しみたい」気持ちをくすぐるアイデア商品だ。

(末尾に写真特集があります)

猫砂は4袋入り
猫砂は4袋入り

廃棄の段ボールを再利用

 大ヒットしたのは、カインズ・オリジナル「Pet’sOne」の猫砂。梱包用の段ボール箱ごと販売し、この空き箱に描かれた窓やドアをカッターナイフで切って、簡単にキャットハウスを作れるという商品だ。箱ごと販売しているのは全国150店ほどで、ネット販売でも手に入る。

 販売開始は2017年7月。猫砂はまとめ買いする人が多いが、店舗ではほとんど段ボール箱から出して個別に陳列販売していた。そのため各店舗で大量に段ボール箱が廃棄されていた。これを有効活用できないかと考え、社内でデザインした。

 キャットハウスとして大きさは適正か、箱の強度や耐久性に問題がないかを検討し、改良を重ねた。中に爪研ぎが入るサイズにし、爪研ぎハウスにもなるようにした。商品化前には猫を飼っている社員4人がテストをしたという。

 販売開始後、SNSで拡散して箱買いする人が増え、売り上げはそれ以前の400%と飛躍的に伸びた。現在品薄の商品もあるという。SNS投稿では、段ボールに絵を描いたり写真を貼ったりして、自分好みにカスタマイズする人も多いという。

猫大満足のキャットハウス
猫大満足のキャットハウス

待ちきれず、ハウスの中へ

 都内で1歳のオス猫と暮らす女性も購入してみた。段ボールのデザインは、砂の素材(おから、ひのき、紙製の3種類)で異なる。このうち紙製を選んだ。

 段ボール箱が届くと、猫は上に飛び乗って、早くも興味津々。早速、工作を開始した。カッターを使うときは危ないので、猫はケージに入れた。入っていた4袋の猫砂を取り出して、ドアや窓の形に切ったら、もう終わり。

 ケージを開けると、“待ってました”とばかり、猫はまっしぐらにドアからハウスの中へ。窓の外から猫じゃらしを振ると、つかもうと前脚を窓から伸ばす。鼻もぎゅうぎゅう窓に押しつけて新しいハウスを存分に楽しんだ。

 女性は「猫はもともと段ボールが好きだけれど、そこに窓やドアがついて、切り抜けばおうちになるという発想がすごい。普段捨てている箱がオモチャとして利用できるのもエコになる。『別宅』とか表札を描いたり、デコッたりして、遊び方はいろいろありそう」と話した。

カインズ限定「懐石zeppin 爪とぎ付き」の外箱(イメージ、カインズ提供)
カインズ限定「懐石zeppin 爪とぎ付き」の外箱(イメージ、カインズ提供)

フードでも箱活用

 カインズの担当者は「梱包資材として廃棄処分されていた段ボールの役に立つ利用方法を提案し、エコロジーにつながりました。ユーザーにとっては、キャットハウスがお金をかけずに手に入り、愛猫が隠れ家でくつろぐ姿を見られて、ペットとのコミュニケーションが図れるというメリットがあります。これらのコンセプトがお客様にも伝わり、支持していただけたことがとても光栄です」と話す。

 同社はこの猫砂によって外箱を活用するニーズがあることが分かり、2018年10月からはペットフードでも外箱を工夫した商品の販売を始めた。

 フードメーカー4社とそれぞれコラボした商品(一部数量限定)で、ペットシーツのストッカーになる箱や、箱の側面を一部くりぬいて顔出し撮影できる商品などがある。

 アイテムは今後さらに拡大していく予定で、車(バス)やおもちゃとして使える商品も検討中だという。

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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