ペットビジネスの最新動向を探る セミナーに80人が参加

 最新のペットビジネス市場の動向を考えるマーケティングセミナー「ペットと人の関係、その近未来」が24日、東京の朝日新聞本社で開かれた。ペットメディア「sippo」が主催した。研究者やペット事業者ら3人が登壇し、家族化しているペットがマーケティングに与える影響や、見守りなどのビジネスとの可能性などについて講演。参加した約80人が耳を傾けた。

武井泉さん
武井泉さん

 まず、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の武井泉さんが「ペットの家族化とペットビジネスの可能性に関して」と題して講演した。

 少子高齢化が進み、単身世帯や子どものいない世帯が増えた日本では、ペットは子どもの代わりとして、家族同様の存在になっていると指摘。コミュニティーのつながりの減少や、ストレス社会といった社会環境により、ペットに癒やしを求める傾向が強いと述べた。

 また、ペットの家族化の進展により、ペット産業は川上(ブリーダー)から川下(トリミング、獣医、ペットホテルなど)まで、全体にかかわるビジネスの仕方に転換していると説明。犬猫の寿命が平均15年と延びるなか、それぞれのシーンにかかわるビジネスが大事になっていると話した。

米津一郎さん
米津一郎さん

 続いて、イオンペット取締役の米津一郎さんが、ペットマーケティングについて流通の現場の視点で講演した。

 犬猫の飼育頭数は、全体として微減傾向にあるが、ペット関連の市場は伸びているという。特にフード関連の伸びがよく、マーケットを引っ張っている。犬猫の寿命が延び、1匹にかける金額が増え、犬は月額約1万円、猫は約7500円にのぼっている。売り上げは7:3で犬のほうが多く、猫のニーズを掘り起こしていくことが課題だと話した。

 さらにペットの高齢化に対応し、健康に関しては、オーラルケアとダイエットに着目しているという。また、フード関連では、素材感のあるものやナチュラル・オーガニックの商品をそろえた、「マルシェ」のような展開にチャレンジしたいとした。

 「新たなペットのライフスタイルを世界に向けて発信していきたい」と締めくくった。

山田裕紀編集長
山田裕紀編集長

 3番目に登壇したsippoの山田裕紀編集長は、編集現場の視点からペットコンテンツがどう読まれているかを説明した。まずsippoについて、「新聞社の編集ノウハウを生かして信頼できる情報を提供するメディア。『ペットとの共生』をコンセプトにして、ペットが可愛いというだけでなく、飼育放棄や保護犬保護猫なども取り上げ、報道しているのが最大の特徴」と紹介。ユーザーアンケートから求められる記事の傾向を見ると、ペットの家族化や長寿化を反映して、健康医療や高齢ペットとの暮らし方などや、動物福祉への関心の高まりから保護犬や保護猫を取り上げた記事への需要が高いと話した。

 さらに都内の百貨店で開いた写真展などのイベント「みんなイヌ、みんなネコ」に約2万人の来場があったことなどを例にあげ、企業とのコラボレーションの可能性も説明した。

右から山田編集長、米津さん、武井さん、モデレーターの高広伯彦さん
右から山田編集長、米津さん、武井さん、モデレーターの高広伯彦さん

 セミナーの最後には、コンサルタントの高広伯彦さんをモデレーターに、3人で議論をした。まず「ペット産業の課題は何か」という問いには、米津さんが「3つある」とし、「飼育頭数が減っていくこと、気軽に列車に乗れるなどインフラが整っていないこと、ペット産業に従事する人が増えていないこと」を挙げた。武井さんは、「フードはルールがあるが、とくに生体販売になると、どう繁殖するか、販売するか、あまり基準がないと感じている」と答えた。山田編集長は「飼育放棄や多頭飼育崩壊が社会問題になっている。飼い続けられなくなった時のセーフティーネットがないのが問題。安心して飼える仕組みを事業化できれば」と話した。

 「掘り起こされていないペットサービスは」という問いについて、米津さんは「美容は伸びると思う」といい、現在は1回ごととしている料金体制を「例えば月額制でやってみてはどうか」と話した。武井さんは「もっと移動しやすいサービスやモノがあれば、いいなと思う」と提案した。かつて猫をつれてタイに住んでいた経験があるといい、「自分で全部相手国の検疫システムを調べたりする。それを一括でするサービスはどうか」と述べた。山田編集長は「ペットが高齢になった時にどうするかは深刻」と話し、老犬・老猫ホームの例を紹介した。

sippo
sippo編集部が独自取材した記事など、オリジナルの記事です。

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