人懐こい保護犬や保護猫に会いにきて お店で出張譲渡会
兵庫県神戸市にあるペットフード・ケアの専門店「グリーンドッグ」で、保護団体「ARK」の出張譲渡会が開かれた。保護犬や保護猫に関心はあっても、なかなか遠方の施設まで出かけられない人も、出張譲渡会ならショッピングに来た時に気軽に参加できる。開催の理由や、どんな犬や猫が来ているのか聞いてみた。
なぜ出張譲渡会か
保護団体ARKは、大阪府能勢市の山深い場所にある保護団体。約10年前から、グリーンドッグ内のレンタルスペースで、月に一度、出張譲渡会を開催しているという。能勢市のARKの本拠地には、車でないと来訪できないことや、グリーンドッグが入っているショッピングモールに買い物に来た人にも、保護犬や保護猫のことを知ってもらうために、1時間半かけて神戸市に出向いて譲渡会をしているそうだ。
今回、出張譲渡会に参加していたのは、犬が4匹、猫2匹だった。何百頭といる犬や猫の中から、どのように選んで連れてくるのだろうか。
「犬は、人が好きな子で、唸ったり、吠えたりしない子を選んでいます。また、リードなしで遊ばせるので、他の犬を攻撃しないことも大事。シニアの子は、長時間、いつもと違う環境にいると、疲れてしまうので、あまり連れてきません。猫は、膝の上に乗ってくるような、人が好きな子を選んでいます。犬も猫も毎回、違う子を連れてきて、できるだけたくさんの子に平等にチャンスを与えてあげたいと思います。また、能勢の山の中とは違い、人がいっぱいいる環境に慣れさせたいという思いもあります」と、担当の橋本さんは言う。
出張譲渡会に参加する犬や猫は、事前にFacebookやインスタグラムで告知されるので、気になる子を見つけたら、会いに行くことができる。
実際に会って触れて、相性を確かめる
出張譲渡会には、ARKの中でも比較的フレンドリーな犬や猫が連れて来られていて、犬はケージの外で、間近に見たり、触れたり、遊んだりして相性を確かめられる。実際の譲渡手続きは、能勢のARK大阪本部で行われるのだが、事前に住居や家庭環境などの条件、確認事項は、出張譲渡会場で確かめることができるそうだ。
今回、出張していた犬と猫は、こんな子達だった。
・イージーちゃん 10ヶ月
熊本では、殺処分ゼロを目指しているが、収容できる動物の数には限界がある。そこで、まだ若くてもらわれやすい子をARKで保護したという。ちょっと人見知りで、馴れない人がいると、隅に隠れてしまう。出張譲渡会では、知らない人におやつをもらって、社会化することも兼ねている。
・ふくすけくん 8歳
今年の1月13日、飼い主さんが病気になったため、ARKにやってきた。ペットとして飼われていたため、非常にフレンドリーだ。Facebookの事前告知を見て、気に入った人が、会いに来てくれた。
・ジュニパーちゃん 8歳
ラブラドール・レトリーバー。飼い主さんが病気になり、一度は親戚が引き取ったが、「やはり飼えない」となり、ARKにやってきた。当初は、被毛がほぼないような状態だったが、薬とシャンプーで改善したという。まだ、かゆがるので、気長に療養に付き合ってあげる必要がある。人にも犬にもフレンドリーで、活発。ぎゅーっと身体を押し付けてきて甘える。
・ヒカップちゃん 13歳
ボーダーテリアの温厚なおばあちゃん。飼い主さんが病気になってARKにやってきたという。人も犬も大丈夫。シニアなので、日頃は寝て過ごすことが多いそうだ。
・猫のスノーボールとプロテメウスちゃん
生後約5ヶ月の兄弟猫。ダンボール箱に入れられて、路上に捨てられていたところを保護され、ARKにやってきたそうだ。白のスノーボールちゃんは、おもちゃで遊ぶのが好き。黒のプロテメウスちゃんは、ビビリで、スノーボールちゃんに依存しているという。
ARKの出張譲渡会には、フレンドリーで、相性や条件が合えば比較的飼いやすい犬や猫が来ていた。ARKのスタッフから、保護された時の様子や性格など、詳しい話を聞くこともできる。ただ、実際に譲渡会場にやって来る人はごくわずか。まずは、気軽に遊びに行って、保護犬や猫に触れてみてほしい。生き生きと力強く生きる犬や猫に出会うことができるはずだ。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。