「ザギトワ効果」で秋田犬が大人気 一方で飼育放棄も絶えず 

「ふれあい処」に出勤した秋田犬=秋田市の千秋公園
「ふれあい処」に出勤した秋田犬=秋田市の千秋公園

 秋田市の千秋公園に16日、秋田犬と気軽に触れあえる施設がオープンした。「ザギトワ効果」もあって人気が沸騰し、観光関係者の間で引く手あまたの一方、飼い主が飼いきれずに手放し、殺処分されている現実もある。

 秋田市が設けたのは「秋田犬ふれあい処(どころ)in千秋公園」。11月4日までの午前11時~午後3時、秋田犬保存会秋田中央支部の遠藤莞爾支部長らの秋田犬が、交代で「出勤」する。

 16日のオープン式典には、平昌冬季五輪フィギュアスケート女子の金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手(ロシア)に贈られた「マサル」を育てた浜田正巳さんと妻恵見子さんも参加。正巳さんは尾の巻き方や毛の色など、秋田犬を見るポイントを解説した。

 県内ではJR大館駅前の「ふれあい処」でも秋田犬に会える。来賓の福原淳嗣・大館市長は「マサルのきょうだい犬『勝大(しょうだい)』を千秋公園に連れて来ます」と式典で話した。

 また、横手市赤坂の「秋田ふるさと村」も7月7日から、毎月第1・第3土曜の午前11時~正午と午後1~2時に、秋田犬を写真撮影できるようにする。

殺処分ゼロめざし 秋田犬の里親募集

里親を募集している雄の「疾風」=社団法人ONE FOR AKITA提供
里親を募集している雄の「疾風」=社団法人ONE FOR AKITA提供

 もてはやされる一方で、飼育放棄された秋田犬の殺処分も後を絶たない。

 社団法人「ONE FOR AKITA」(秋田市)は、雄の「疾風(はやて)」の里親を募集している。
 疾風は1歳前後の赤毛(茶色)で、体重約35キロ。前飼い主が飼育放棄し、宮城県内で保護された。その後、専門のドッグトレーナーがトレーニングと健康改善に取り組んできた。警戒心は強いが、慣れれば甘えん坊だという。

 里親を希望する人は、メールで同法人に申し込み、面会受諾のお知らせを受ける。応募多数の場合は、面会できないこともある。譲渡時には去勢手術代やワクチン代などの実費(7万円ほど)が必要になる。

 同法人は秋田犬の飼育頭数拡大や殺処分ゼロをめざし、今年3月に設立された。申し込みや詳細はウェブサイト(http://saveakita.or.jp)で。(村山恵二)

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