世良公則さん、8週齢規制を求め要望書 超党派議連の尾辻会長に

尾辻秀久参院議員(右)に8週齢規制の重要性を訴える世良公則さん
尾辻秀久参院議員(右)に8週齢規制の重要性を訴える世良公則さん

 ミュージシャンの世良公則さんが4日、超党派でつくる「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」会長の尾辻秀久参院議員と面会し、「8週齢規制」の実現を求める要望書を提出した。動物愛護法は今年が5年に1度の改正年にあたり、議員立法によって改正が行われる予定になっている。

 世良さんは要望書で、「日本の法律がいつまでたっても8週齢規制を実現できないままでは、幼すぎる子犬や子猫が親元から引き離され、心身の健康リスクにさらされ続けます」などと訴え、自民党の一部国会議員が8週齢規制導入に反対している問題を踏まえて「(自民党の一部国会議員が)マイクロチップ装着義務化が第一優先だと言っているのはおかしい。一方でなぜ、小さな命の心身の健康を守り、社会性をしっかり身につけた犬猫たちが世に出て行くために必要な8週齢規制の導入を決めようとしないのでしょうか? 超党派議連には一歩も引かない覚悟で、ぜひがんばってほしいです」と伝えた。

尾辻氏「全力で努力する」

 尾辻氏は、動愛法が議員立法でつくられた経緯を説明しつつ、「8週齢規制については我々も(世良さんと)同じように思っている。ただ、ペットショップは小さい子犬・子猫ほど売りやすいから、8週齢規制をやられると売りにくくなる。従って、ペットショップから応援してもらっている議員は(8週齢規制に)反対する。この人たちに反対されると法律ができない。この人たちに反対させないように、なんとかしないといけない。我々も悪戦苦闘しているが、全力で努力をしていく」などと答えた。

 面会には超党派議連の福島瑞穂参院議員、森本真治参院議員も同席。福島氏は「8週齢に抵抗する人たちがいるが、超党派議連としてはなんとか壁を乗り越えたい」といい、森本氏は「世論を喚起していただき、ありがたく思っています」などと話した。

業界反対で「生後49日」に読み替え

 8週齢規制を巡っては2013年施行の改正動愛法で、「生後56日」以下の犬猫を、販売目的で生まれた環境から引き離すことが禁じられたが、法律の付則で「別に法律に定める日」まで「生後49日」と読みかえることになっている。ペットショップなどが作る業界団体や一部国会議員が、幼い動物を好む消費者ニーズを挙げて「売り上げが減少する」などと反対したためだ。

 だが子犬、子猫を8週齢(生後56~62日)より前に生まれた環境から引き離すと、適切な社会化がなされず、人への攻撃などの問題行動を起こしやすくなるとされている。また、生後40日頃から母親から受け継いだ免疫力が低下し、一方で8週齢より前にはワクチン接種の効果が発揮されにくいという問題もある。そこで米、英、フランス、ドイツなどは「8週齢規制」を法令で設け、8週齢までは、子犬や子猫を販売目的で生まれた環境から引き離すことなどを禁じている。

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