粘り強く犬猫の里親探し 殺処分を減らしたい自治体の取り組み

県動物管理センターで保護されている14歳と高齢の犬。引き取り手がなければ処分される可能性がある=佐賀市三瀬村藤原
県動物管理センターで保護されている14歳と高齢の犬。引き取り手がなければ処分される可能性がある=佐賀市三瀬村藤原

 今月6日の夜、天山登山口の上宮駐車場(佐賀県小城市)に夜景を撮りに行き、シェパードとみられる大型犬に出くわした。他に車や人影はない。犬にも、知らずに来た人にも不幸なトラブルが起きかねない。市に電話し、朝日新聞佐賀総局のツイッターでも注意を呼びかけると、数日後、それらしい犬が保護されていると教えてくれた人がいた。保護された犬はどうなるのだろう。


 県内各地で保護された犬や猫は、県動物管理センター(佐賀市三瀬村藤原)に集められる。県はホームページで保護場所や種類などを公開。1週間、飼い主からの連絡を待つ。


 連絡がない場合、健康状態や性格などを観察して希望者に譲渡できると判断されれば、県犬猫譲渡センター「いっしょけんね」(武雄市武雄町富岡)と管理センターを行き来しながら、新しい飼い主が決まるのを待つことになる。


「いっしょけんね」は出会いの場だ。誰でも訪れて保護されている犬猫を見学したり、猫とふれあったりできる。「譲渡できると決めた犬や猫は、飼い主が決まるまで保護しつづける」と県の担当者。一昨年9月に保護された大型犬の新しい飼い主が昨年11月に決まるなど、1年以上かかっても粘り強く待つという。


 小城で保護されたシェパードに会いに管理センターへ行った。毛並みがよく、元気な様子だ。推定5歳のオス、首輪なし。マイクロチップが埋め込まれていたが情報が登録されておらず、飼い主からの連絡もなかったという。譲渡を望む電話が複数あり、具体的な話も進んでいる。

 

天山登山口の上宮駐車場にいたジャーマンシェパード=佐賀県小城市
天山登山口の上宮駐車場にいたジャーマンシェパード=佐賀県小城市

 センターでは、病気があれば動物病院とも連携して治療。気性を落ち着かせるなどしつけ、少しでも多くを譲渡に回せるよう努めているという。それでも引き取り手が見込めなかったり治らない病気だったりする場合に殺処分される。訪れた日にセンターにいたうち1匹は、引き取り手が見つかりづらい14歳の高齢犬。処分になる可能性もある。

 

 

■殺処分数、法改正後に急減

 県内の犬猫の引き取り状況(環境省まとめ、負傷による保護を除く)をみると、改正動物愛護管理法が9月に施行された2013年度を境に大きな変化がある。引き取り数は12年度の犬878・猫2109から、16年度は犬332、猫731に。飼い主からの引き取りが犬で267から7、猫は318から0に激減したのも目を引く。


 改正では犬猫販売業者への規制強化のほか、飼い主も最後まで責任を持って飼うよう明記された。県は、持ち込んでくる飼い主に自分の責任で新しい飼い主を探すよう求めたり、「ほえるから」といった理由であればしつけを助言し引き続き飼ってもらえるようにしたりしているという。


 殺処分数(保護中の死亡も含む)も、12年度の犬457、猫2066から急減している。ただ、16年度も犬54匹が処分された。県の担当者は「首輪やリードつきの犬でも飼い主から連絡がないことも多い。迷子札やマイクロチップをつけ、いなくなったら必ず市町や県に連絡して」と訴える。


 猫の処分は600匹と、さらに多い。授乳や排泄(はいせつ)の世話が難しい生後間もない猫が4~7月など繁殖期に大量に保護され、多くが死んでしまうことなどが理由という。子猫自体は新しい飼い主が見つかりやすいため、育てられる状況であれば職員が自宅に持ち帰ってでも世話しているという。


 野良猫の繁殖を抑えるため、佐賀市では不妊去勢手術をしたうえで住民らが協力して管理する「地域猫活動」について、登録した自治会やグループに手術費の一部を助成。制度開始の09年度から16年度までに計1138匹に施術された。


 全国各地では、赤ちゃん猫を離乳まで世話する「ミルクボランティア」と自治体との連携も広がりつつある。


(寿柳聡)

 

 

■過去5年間の県内の犬猫の保護状況

<犬>

年度 引き取り 返還 譲渡 殺処分
16 332(7) 111 165 54
15 410(4) 112 259 39
14 479(0) 116 305 19
13 630(108) 144 329 157
12 878(267) 140 281 457


<猫>

年度 引き取り 返還 譲渡 殺処分
16 731(0) 136 600
15 1078(12) 269 802
14 1151(0) 245 895
13 1445(182) 166 1279
12 2109(318) 42 2066

(環境省まとめ。カッコ内は飼い主からの引き取り。負傷動物としての保護は除く。殺処分には保護中の自然死も含む)

朝日新聞
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