猫と漢字で木版画 くつろいだり、悩んだり…人のような猫たち
35の漢字をモチーフに、猫たちがじゃれ合ったり悩んだりする木版画展が、前橋市天川大島町3丁目のアートギャラリーミューズで開かれている。版画家の大野隆司さん(66)=東京都葛飾区=が、元NHKアナウンサーの山根基世さんの著書から着想を得て、制作した。大野さんは「難しく考えずに、思い思いの感覚でめでてほしい」と話す。
「米」は、お茶わんに盛られたご飯を、猫が目を「米」の字に光らせて見つめる作品。猫の胴体は稲でできている。よく見ると猫の口元には、ごはん粒。大野さんは「ご飯を食べられる喜びを、この猫は感じています」。
35の漢字をエッセー風に紹介する山根さんの著書「感じる漢字」(自由国民社)を手にしたのがきっかけという。「読んだとき、漢字が映像になって頭の中に浮かんできた」といい、20年以上描いてきたなじみの猫たちと一緒に版画にした。
「温」「和」「食」など、猫たちがくつろいだ表情で描かれた絵がある一方、「想」「迷」「省」など、猫が人間のように思いにふけったり、悩んだりしている様子の作品も並ぶ。大野さんは「いい『感じ』の出来です」と話した。
30日まで。日曜休み。問い合わせは同ギャラリー(027・243・3888)へ。
(山崎輝史)
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