建築誌が「犬のための家」大特集! むだ吠えは住環境で防止可能
建築業界の専門誌、月刊「建築知識」(エクスナレッジ)が昨年末、「猫のための家づくり」という大特集を組んだところ、プロだけでなく一般の飼い主にも受け、売り切れ書店が続出する大ヒットとなった。「猫が売れたなら、次は犬」となったのか、今度は9月20日発売の10月号で「犬のための家づくり」を大特集した。記念トークイベントを開催したり、表紙をデザインしたクリアファイルをノベルティグッズとして作るなど、専門誌としては異例の派手なプロモーションを展開している。
編集を担当した上野香織さんは、「犬特集」を組んだ経緯についてこう話す。
「年末の猫特集の反響が大きくて、執筆陣の設計士さんたちにもメディアの取材や愛猫家からの設計依頼が舞い込んだんです。読者からも『今度はぜひ犬特集を』というリクエストも多くいただきました。本来の読者層には、個人で活動する設計士さんも多く、ペットに適した家づくりができれば強みになるんです」
近年は犬も室内飼いが主流になっており、犬にやさしい住まいづくりへのニーズは猫と同様に高いと判断したという。
1年前には「編集部の中で誰も猫を飼っていない」という“アウェイ環境”の中で猫特集を成功させた経験から、犬特集にもある程度自信を持っていた。しかし、思わぬハードルが編集部員を悩ませたという。
「猫と違って、犬は犬種によって体の大きさや性格が全く異なります。当然、住まいづくりのヒントも異なるものは多く、その対応に悩みました」(上野さん)
最終的には、大型犬、中型犬、小型犬に分類してマークをつくり、記事ごとに該当するマークを表示、犬種による違いなどは本文やコラムで補足する形を採った。
■「しつけ」のしやすい家と、しにくい家とは?
編集部が特集のテーマとして重視したのは、「しつけのしやすい家」だという。
「多くの飼い主さんが『吠え』に悩んでいます。これはしつけの問題だと思われがちですが、しつけがしやすいかどうかは、環境に大きく左右されるんです」(上野さん)
たとえば、犬は縄張りを守ろうとする性質が強いため、完全室内飼いであっても窓から道行く人や車が見えやすい間取りだと吠えにつながりやすいという。また、床に物が多くある環境では、犬は落ち着くことができず、しつけにも影響するので、収納しやすい家づくりをして片付けを徹底することで改善が期待できるのだとか。
特集「犬のための家づくり」では、猫特集と同様、動物学者やペットを得意とする設計士の協力を得て、犬の生態や性格を踏まえた住まいづくりを提案、犬種ごとの基礎知識も網羅している。
犬のための家づくりを特集した9月20日発売の月刊「建築知識」10月号は、定価1680円(税込)。過去の猫特集をパワーアップして書籍化した「猫のための家づくり」(1599円、税込)も同日発売。10月にはペットに詳しい設計士など執筆陣によるトークイベント「猫・犬のための家づくり」を盛岡、大阪、福岡で開催する。問い合わせは同社(03・3403・1346)。
(森田悦子)
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