人間の嗅覚、実は犬並みにいい? 米科学誌に論文
ヒトの鼻は、実はほかの動物並みにたくさんのにおいをかぎ分けられる力を持っているのではないか。これまでの嗅覚(きゅうかく)研究を調べ直した研究者が5月、米科学誌サイエンス(電子版)にそんな論文を発表した。
イヌはがん患者や爆薬のにおいをかぎ分けられると言われるが、ヒトの鼻はかなり劣るというのが定説になっている。だが、論文によると、この説は19世紀のフランスの研究が根拠の「神話」だったという。
当時は、「嗅球(きゅうきゅう)」と呼ばれる部分が脳に占める割合が、ヒトはほかの動物より小さいことから、嗅覚能力も低いと考えられた。たとえば、マウスの嗅球は脳の2%あるが、ヒトは0・01%しかないという。
しかしその後、嗅球の神経細胞の数は動物とヒトの間にあまり差がなく、ヒトはバナナの香りにはイヌやウサギより敏感だとわかってきた。ヒトが1兆種類ものにおいをかぎ分ける力を持つ、という論文も3年前にサイエンス誌に掲載された。論文を書いた科学者らは、広く信じられてきた定説に、怪しいにおいをかぎとったのかもしれない。
(小堀龍之)
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