黒猫の禁じられた遊び ティッシュ、お風呂、台所…

球形のティッシュケースから紙を引っ張り出す龍
球形のティッシュケースから紙を引っ張り出す龍

「キャーー! なんなのコレは」


 都内のマンションに住む浩子さんは、叫び声をあげた。夜、帰宅すると、愛猫の「龍」が居間に置いてあったティッシュぺーパーを爪で引っ張り出し、部屋が紙だらけになっていた。

 

(末尾に写真特集があります)

 

「片付けどうするの。かあさん疲れてんのにー」

 

「ひゃっほーどんどん出てくる」 
「ひゃっほーどんどん出てくる」 

 浩子さんが茫然としていると、夫も帰宅。部屋の様子を見て、目を丸くした。


「一枚一枚、すべて引っ張りだしたのか……天才だ」


 ティッシュケースは円形のプラスチック製。市販のティッシュ箱から取り出したペーパーをケースの中にセットする仕組みになっている。インテリア性もあるので、夫婦で気に入り、長年使っていた。龍は夫婦にとって3匹目の猫だが、これまでこんな遊びをする子はいなかった。


 浩子さんが恐る恐るトイレにいくと、“案の定”、トイレットペーパーもいたずらしてあった。爪で引っ張られた紙が、だらーんと床まで垂れている。

 

爪痕つきのトイレットペーパー
爪痕つきのトイレットペーパー

 このティッシュ祭り事件が起きたのは半年前。龍が生後 5 カ月のころだ。あれから 5カ月、龍はいま生後 10 か月。最近のいたずら具合はどうなのか。


「ペーパー祭りは、春までずっと続きました。うちは1LDKに猫が 2 匹います。居間のケージの中に置いた猫トイレのほか、人のトイレにも猫トイレを2つ並べて置いてあります。それでトイレのドアは常に解放しているんです」


 トイレットペーパーの先をカバーの中に折り込む措置をとったが、龍は前足を隙間に入れて引っ張り出す“こだわりの技”を見せた。だが、しばらくすると飽きたのか、見向きもしなくなった。


 次に龍が関心を持ったのは「水」。 お風呂で遊ぶようになったのだ。なぜか、それまで水には一切興味を示さなかった同居猫の「虎千代」まで、遊びに加わるようになった。

 


「お風呂にお湯をため始めると、2匹そろってバスタブの縁に乗る。龍が蛇口の傍に陣取って、出てくるお湯を前足で触るんです。激しく遊ぶと、ユニットバスの床はびっしょり、猫もびっしょり。でも龍は濡れてもへいちゃら」

 

風呂場のランドリー袋に入りこむ龍
風呂場のランドリー袋に入りこむ龍

 お風呂遊びに夢中になる一方で、龍は、居間の“テーブル乗り”にもハマるようになった。 お風呂の縁と、テーブルは、まあいいかなと許容した浩子さんだが、室内では要注意の場所もあった。たとえば、キッチンの台だ。


「衛生面も問題ですけど、キッチンには火、熱湯、刃物、と危険なものがいっぱい。調理中はとくに危いので、対策を練りました」


 それは、霧吹き作戦。観葉植物用の霧吹きに水を入れ、龍が上ったらその場でシュッとかけて『ダメ』と言うようにした。それを2、 3 回繰り返したら、霧吹きを見せるだけで、降りるようになったという。だが、わかっているのかいないのか、5分後にはまた上ってしまう。霧吹きを見せる、降りる、上る、の繰り返しになり、それ自体が遊びのようになってしまった。


「結局、危険回避のため、長く火を使う場合はケージに入れるようにしました。今までは、猫がある程度育つとケージはしまっていたのですが、今は出しっぱなしです。龍はとにかく何にでもいちいち触り、いちいち舐め、いちいちくわえて運ぶので、『いちいちさん』というあだ名をつけたほど(笑)」


 アイロンかけと、ベランダの出入りも要注意で、龍をケージに入れるようにした。龍は生まれてすぐに保護されて家に入ったので、外の世界の様子、特に高低がわかりにくのではないか、と浩子さんは考える。


「虎千代は(元野良で)表の生活経験が数か月あるので、空間認識もある程度できている気がするし、現にベランダで静かに日向ぼっこをしたことがあります。龍も、何度か抱いてベランダの下を見せたことがありますが、理解しているか不安なので、出さないと決めたんです。さらに、龍は私と夫の出勤時に玄関から外に出ようとするようになったので、柵を設置しました」


 脱走防止柵は、夫の渾身の作。ホームセンターで結束バンドと網を買って手作りした。

 

歴代の猫にはしたことのない玄関の脱走予防措置
歴代の猫にはしたことのない玄関の脱走予防措置

 いたずらに困ることもあるが、浩子さんは「日々、生活を楽しんでいる」と話す。


「好奇心からのいたずらは可愛いし、怒ること以上に笑いをもたらしてくれる。幼い子供と同じで、“親の注意”が必須ですけどね。目を離した隙に……ということだけは避けたいので」


 さて、龍君。次はどんなことをして、かあさん、とうさんを驚かせるのだろうか?

 

(藤村かおり)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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