県庁そばに住み着き、ファンレターが届くニワトリ「県鳥君」
高知市の県庁西側の一角に、「県鳥君」と呼ばれる1羽のニワトリがすみ着いている。誰かが専用の小屋を作り、中に手紙が入れられることも。通行人にも人なつこく歩み寄り、県の鳥ヤイロチョウに負けない存在感を放っている。
県鳥君がいるのは、県が管理する高知公園の一角。雄とみられ、緑と茶の羽が美しい。カメラを向けると、「クックッ」とのどを鳴らして近づいてきた。
公園を所管する県教委文化財課は「2年以上前、気がついたらすんでいた」。通りかかる人たちに尋ねると、「捨てられた」「近くの神社にすんでいた数羽のうち1羽が移ってきた」など諸説あるようだ。
いつのころか、高さ50センチほどの木の小屋も建てられた。屋根には「高知家 県鳥君」の文字。雨風の強い時、県鳥君はおしりだけ出して小屋に頭を突っ込んでいるという。
通行人がエサをやることもあるようだが、文化財課は「カラスやネコが食べて繁殖につながるかもしれないので、やめて」と話す。小屋のそばにも、「動物にエサを与えないで下さい。高知城管理事務所」と書いた看板が立っている。県鳥君自身は土を掘ってミミズをついばむなど、自活の努力はしている。
一帯を仕事で毎日通るという高校事務員、長山益男(ますお)さん(64)は1カ月ほど前、小屋に「県鳥君のお父さんお母さんへ」とたどたどしい字で記した封筒が入っているのを見かけた。「子どもが書いたのかも。僕らにとってもかわいくて、おらんと心配になりますね。癒やしの鳥です」と話していた。
(佐藤達弥)
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