地域猫と暮らす 旅館の女将さんたち「幸せ猫プロジェクト」
「ニャン、ニャン、ニャン」で猫の日とされる2月22日に合わせ、地域で野良猫の世話をするプロジェクトが山形県米沢市の小野川温泉で始まった。料金の一部が寄付に回される宿泊プランやグッズを販売し、野良猫や捨て猫を減らして地域の住民と猫が住みやすい場所を目指す。
(文末に写真特集があります)
雪が降り積もる小野川温泉街。10分ほど歩き回ると5匹の猫と出会った。屋根の下で水を飲んだりじゃれ合ったり。中にはケガをしたのか、片目を閉じたままの猫もいた。
「ここ2、3年で捨て猫が繁殖し、急激に数が増えた。確認できるだけで20匹はいると思います」。そう話すのは亀屋万年閣の若女将(おかみ)、佐藤梨絵さん(37)だ。宿でも保護した猫を2匹飼っているが、数が増えすぎて「個人では限界がある」と感じていたという。
宿泊客に可愛がられる一方で、旅館の玄関にフンが残されたり、鳴き声がトラブルの原因になったりすることも。そこで、地域全体で猫を世話して管理する「地域猫」の取り組みに着目し、女将会(遠藤千鶴会長)が中心となって「小野川温泉幸せ猫プロジェクト」を立ち上げた。エサやりやトイレのしつけ、看板の設置のほか、猫の避妊・去勢手術などに充てる費用を集めるという。
女将会に所属する旅館全11軒で、募金箱を設置したり、100円が寄付される米織のオリジナルフラットバッグ(2160円)を販売したりする。
宿泊費のうち1千円が寄付される1泊2食付きの宿泊プランも作った。料金は「いい、ニャン、ニャン」で1万2200円。プランは3月1日から6軒ほどで始める予定という。
「猫ブームの中でこそ、協力して不幸な猫を減らしたい。私たちの管理の行き届く範囲で、おだやかに暮らしてくれれば」と佐藤さん。
問い合わせは小野川温泉旅館組合(0238・32・2740)まで。
(多鹿ちなみ)
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