一緒に遊べる「犬カフェ」 「飼えない人に触れ合える場を」
「ワンワンワン!」。扉を開けると元気な鳴き声が聞こえてきた。店内を見渡すとぴょんぴょんと跳びはねる犬、犬、犬。岡山市北区表町3丁目にある犬カフェ「Codyのいす」。犬好きにとっては至福の光景が広がっていた。
オープンは昨年8月。店内には十数匹の犬がいて、一度に何匹もの犬と戯れながら、コーヒーなどが飲めるカフェだ。同区でダイニングバーを経営していた水野捺月さんが一人で切り盛りしている。
開店を思いついたのは、愛犬の散歩をしていたときだ。出会った人たちと話をしていると、仕事や住んでいる環境などから「犬が飼えない」と漏らす人が多かった。「犬と触れ合える場所があればいいのでは」と思ったが、そんな場所に心当たりがない。「自分で作ろう」。3年ほど前から準備に取りかかった。
犬を飼えない人はもちろん、飼っている人も楽しめるように、珍しい犬種を集めた。子羊のような見た目のベドリントンテリアや、イタリアングレーハウンドなど計7種。犬の年齢は6カ月から5歳まで。どの犬も人懐っこく、ひざの上にのってくる。
内装にもこだわった。
リビングで犬とくつろいでいるような雰囲気を感じてもらうため、ソファやクッションなどを並べた。店内は土足厳禁。スリッパに履き替えてもらう。娘と来ていた50代の主婦は犬を抱きかかえながら「初めて来た。犬カフェは珍しい。犬好きにはたまらない」と笑顔だった。
料金は千円、中学生以下800円(それぞれドリンク1杯付き)で、平日は2時間、土日祝日は1時間まで滞在できる。月、木、第2日曜は定休日。20~23日は臨時休業。問い合わせは同店(080・9675・9599)。
(本間ほのみ)
■動物カフェ、全国で増加 猫や鳥、フェレットまで
岡山、倉敷両市と県に朝日新聞が取材したところ、県内に動物と触れ合えるカフェは1月の時点で計7軒ある。いずれも岡山市と倉敷市内にあるという。
犬カフェは「Codyのいす」の1軒、ほかに猫カフェが4軒、鳥カフェ、フェレットカフェが1軒ずつあるという。
岡山市保健所衛生課の担当者は「動物のいるカフェはここ2年くらいで増えている」と話す。
首都圏にある猫カフェ約20店舗が参加する「猫カフェ協会」の福井隆文理事長(44)によると、猫カフェは全国的にも増えているといい、「住環境や多忙さからペットを飼えないという人が多い。時間に追われる生活の中、のんびりと休める空間として猫カフェが使われているように感じます」と話している。
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