野良猫の不妊・去勢手術を公費で 神戸市議会が条例案

神戸市議会の3会派(自民、公明、民進こうべ)は19日、地域の野良猫の不妊・去勢手術を進める条例案を議会に提案した。可決される見通しで、来春施行されれば、市は手術費用を全額公費で負担する方針。市によると猫の繁殖を抑え、殺処分を減らすことが主目的の条例は珍しいという。
市は2005年度から、世話をする自治会やボランティア団体などから届けがあった野良猫を「地域猫」とし、獣医師らと連携して不妊・去勢手術をする取り組みを進めている。地域猫を届け出た団体などが雄3千円、雌7千円の手術費用を負担すれば、残額を市などが助成している。

地域猫は昨年度末時点で約2050匹。だが、届け出には地元同意など一定の条件があるため、地域猫と位置づけられない野良猫も少なくない。また、団体などが手術費用を一定額負担しなければならない点などが影響し、手術を受けた地域猫は約1300匹にとどまる。市は昨年度、引き取ったり捕獲したりした猫768匹中673匹を殺処分。殺処分率は87・6%と政令指定市で最も高かったという。
条例案では、市獣医師会や地域団体などでつくる推進協議会を設置し、野良猫に関する苦情があった地域に実際に問題が生じているか検討。問題があると判断すれば、その地域の野良猫を捕獲し、手術後に地域に戻すとした。殺処分を減らしながら生息数も減らすのが狙い。条例が成立すれば、市は地域猫の手術を全額公費で負担することを検討する。
(金井和之)
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