雨の知床半島を横断 霧で真っ白の道をドライブしてシカと出会う

知床半島で出会ったシカ
知床半島で出会ったシカ

 すっかり秋っぽくなりましたね。前回から夏休みの道東旅行について書いています。前回は釧路でのシカとの出会いを書きました。今回は釧路の後に訪れた世界遺産・知床での出来事について書きたいと思います。

 釧路の後、知床半島の西側、ウトロに向かいました。知床半島は知床連峰でウトロ(西側)と羅臼(東側)の2つのエリアに分かれます。知床と言えば野生動物!というわけで、「野生動物を観察するナイトツアー」が付いている宿泊プランにしました。外は土砂降り。こんな天気でも開催されるのだろうか.....と不安になりながらも、野生動物との出会いにワクワクしながら、早めの夕飯を食べスタンバイ。食後にコーヒーを飲みながら念のため、ツアー開催の会社に連絡をすると、「今日は中止です」とのこと。その後、ケーキをやけ食いをしたことは言うまでもありません(笑)。

 というわけで、この日は残念ながら動物との出会いはありませんでした。翌日の予定をたてようと、インフォメーションデスクにて情報収集するものの、悪天候で通行止めのため知床五湖の散策もダメ、滝への散策コースもダメ、知床半島クルーズも午前は欠航、午後は未定......。ただ、翌日は徐々に天候が回復するので波もおさまる予定だから午後は運行するかもしれないとのこと。そこで、一か八か、一番遅い15:30出航の「ヒグマウォッチングコース」を予約しました。やはりヒグマは見たいのです。

 翌日、雨の中、まずは知床半島の東側、羅臼に向かいました。ウトロと羅臼は、国道334号でつながっています。車だと1時間くらいの峠道です。知床横断道路、通称、知床峠と呼ばれているそうです。

 「知床国立公園」の看板を通り過ぎたあたりで、道路脇の草を食べるシカを見ました。そのシカと、近くに停車している車をしばらく観察すると、車に近寄っていくようすはありません。まだ餌付けはされてないようですね、よかったです。ちなみに知床には2万頭ものシカがいるそうです。行きは3頭のシカを見ることができましたが、今日は何頭のシカと出会えるのか、期待が高まります!

羅臼ビジターセンターの展示
羅臼ビジターセンターの展示

 羅臼への道中、羅臼岳や羅臼湖などの絶景スポットや野天風呂もあるようですが、霧の中、まったく見えません。絶景を眺めながらの素敵なドライブのはずが、真っ白の中をひたすら走るというスリルあるドライブになりました。途中、知床国立公園羅臼ビジターセンターに寄りました。ここでは知床の自然や歴史が分かりやすく紹介されています。大きなシャチの全身骨格の標本やヒグマ、アザラシ、シカのはく製、フクロウやアザラシなどのかわいらしい野生動物のぬいぐるみもありました。このぬいぐるみは実際の大きさ・重さだそうです。剥製で実際の大きさや外観の特徴を知るとともに、ぬいぐるみで重さや大きさを肌で感じることができるのはいいですね。特に2メートルもの羽をもつオジロワシのぬいぐるみの羽を広げたときの大きさは衝撃的でした。

 ウトロは山の野生動物なのに対し、羅臼はクジラやシャチといった海の野生動物を見ることができるエリアです。羅臼でクジラ、イルカを見るツアーもありますが、この日は案の定、欠航。もう「欠航」「中止」という言葉には慣れました(笑)。羅臼に到着すると、「クジラの見える丘公園」という看板を見つけたので、さっそく行ってみました。ここは、「日本でも数少ない、マッコウクジラをじっくり観察できる展望デッキ」だそうです(北海道根室振興局産業振興部商工労働観光課観光振興係より)。残念ながら確認することはできませんでしたが、目の前に広がる大海には、クジラやシャチ、イルカがいるんですね。一日中、ずーっと望遠鏡をのぞいて観察してみたいです。

 ゆっくりしたいところですが、ウトロでクルーズの予約をしているので、またもと来た道を戻ります。小雨ではあるものの、知床横断道路は行きと同じく真っ白の世界。でも峠を越えると、またシカに会うことができました。天気が回復してきたこともあり、帰りは親子のシカや4~5頭集まって草をはむなど、行き帰りを合わせ15頭ほどのシカに出会うことができました(もしかしたら行きと同じシカを帰りにも見たかもしれませんが……)。せっかく知床に来たのだから、知床の自然も歩きたい!ということで、知床自然センターに寄り、少し散策をしました。もちろんここもヒグマの生息地です。”お邪魔します”という気持ちで、知床の自然を体いっぱい味わいました。

 そろそろクルーズの集合時間。念のため、クルーズの運行会社に連絡をしたところ、「運行します」とのこと。ついにヒグマと出会えるかも!?と期待に胸を膨らませ、集合場所に向かいました。というわけで、次回はヒグマとの出会いについて書きたいと思います。

同センター内のヒグマ。本物をこの目で見たい
同センター内のヒグマ。本物をこの目で見たい
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