犬で人が育つ 犬同士の関係から学ぶこと

5ヶ月のトノちゃんとやわら先生(5才)のご挨拶
5ヶ月のトノちゃんとやわら先生(5才)のご挨拶

 犬同士の関係を見ていると、うまくコミュニケーションがとれる犬もいれば、そうでない犬もいます。早期分離された犬たちや、子犬期に他の犬と交流なく過ごした犬たちは、犬同士のコミュニケーションがうまくとれないようです。適切な時期に適切な介入をすることがとても重要になります。

 うちの犬は、パピークラスの教育係の先生として活躍しています。興奮が高い犬には、ワワン!と一喝して、それでも落ち着かない場合は、前足で抑え込みます。よくない行動に対してのみ指導するので指導された犬は必要以上におびえたりすることもありません。犬同士のことは、犬にしかできないこともあるようです。

 うちの犬を観察していると、絶対的に指導する行動として、初対面で顔に前足をかけられることを指導し、挨拶には礼儀があるよということを教えているようです。何をされても怒らずに受け入れる犬もいますが、世の中にはそれされたら嫌だよという指導がないと、トラブルになることもあるので、先生犬に適切な指導を受けることで犬同土のトラブルを最小限に減らすことができると思います。

 指導ができる犬は、その犬の性格と子犬時期に同じように指導された経験があるかどうかということが大切なようで、うちの犬も先住犬に指導された経験があり、礼儀を学びました。人間も犬の行動を観察し、指導するタイミングを教えてもらうことで、犬をよりよく理解し、円滑なコミュニケーションを図ることができるようになるでしょう。


鹿野都(かのみやこ)
博士(学術)、麻布大学共同研究員、動物介在教育マスター・エデュケーター。相模原市を中心に犬のしつけ方指導をしているスタディ・ドッグ・スクールのスタッフとして、子どもたちを対象とした犬を介在させた教育活動を実施する「犬と一緒に教育支援プロジェクト」を進め、教育支援犬の育成のため飼い主指導を行い、小学校での犬と一緒の授業(動物介在教育)を展開している。

Tel:042-712-9148
http://www.study-dog-school.com

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