愛犬と車中泊から仮設住宅へ 熊本地震から100日余

避難先のレジャー施設から村営住宅に移った今村克子さん=熊本県南阿蘇村
避難先のレジャー施設から村営住宅に移った今村克子さん=熊本県南阿蘇村

 熊本地震の発生から100日余りが過ぎた。発生後間もなく、朝日新聞のアンケートに協力してくれた人たちは今どうしているのか。改めて尋ねると、大半は仮設住宅など落ち着き先が決まっていたものの、本来の暮らしにはほど遠く、個々に悩みを抱える姿が浮かんだ。


■入居「柔軟に対応を」

 最初のアンケートは、4月14日の前震から10日を機に熊本県内の避難者108人に実施。このうち、震災から1カ月時点で連絡がついたのは65人で、うち26人が「避難中」だった。震災2カ月で再度尋ね、避難を続けていた16人に、今回改めて聞いた。

 回答が得られた14人の中で、11人は仮設住宅に入居済みか入居が決まっていた。1人は公営住宅に入居していた。あとの2人は避難所にいて「移る先のめどが付いていない」と答えた。

 南阿蘇村の今村克子さん(50)は今月に入り、村内の避難所から村営住宅に移った。高齢の両親と3人暮らし。初めは仮設に応募したが、6月に取り下げた。

「化学物質過敏症」だという今村さんは、新しい建材で建てられた仮設住宅では暮らせない。両親だけ仮設に住まわせ、自分は村営住宅に入るつもりだった。

 ただ、村の説明では、一つの世帯が分かれて住むので、村営住宅の家賃は自己負担。仮設はあきらめて3人で村営住宅に住むことにしたが、地元の知り合いはいない。さらに仮設の入居期限は2年だが、村営住宅は1年と短い。

「分かれて住まざるを得ない事情のある人がいるはず。こんな時だから柔軟に対応してほしいのに」と今村さんは話した。

 益城(ましき)町の松本ミカ子さん(70)は7月、仮設の2次抽選に当たり、月末に避難所から移った。ただ、大きな不安を抱えている。

「全壊」と判定された2階建ての自宅は、傾きながら建っている。「道向かいのお隣の住む家にいつ倒れかかるかと思うと、おちおち夜も眠れない」。「8月内」と言われた家の解体を待っている。「とりあえず住む所は決まって一歩進んだけど、他は足踏みのまま」と話した。


■仮設、車イスでは不便

仮設住宅で暮らす鈴川将司さん=熊本県西原村
仮設住宅で暮らす鈴川将司さん=熊本県西原村

 車イスで生活する西原村の鈴川将司さん(42)は7月初め、妻と両親の4人で村内の仮設に入った。本震直後から避難所に移り、夜はペットのダックスフントと寄り添ってずっと車中泊だった。

 室内で手足を伸ばして寝られるようになったが、畳の部屋もあって車イスでは不便を感じる。玄関は車イスが通れる間口がなく、縁側から出入りする。

 避難所で知り合ったボランティアがそれを見て、出入りの際に雨にぬれないよう、縁側にひさしを付けてくれた。

 2カ月に及んだ避難所の生活で、本音で話せる友人も何人もできた。「地震で失ったものより、得たものの方が多い」と鈴川さんは自らに言い聞かせるように話した。

(板倉大地、沢田紫門、奥村智司)

朝日新聞
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