犬ロボット・猫ロボット、人工知能で賢く進化 介護でも活躍
ニュースやCMなどで、各種のロボットを見聞きする機会が増えました。家庭向けの製品も数多く登場し、ペット代わりに「癒やし」を求めて購入する人たちも見かけます。身近になったロボットは、どこまで進化しているのでしょうか。
ロボットというと、機械的に片言で話すような、無機質なイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。でも、最近のロボットは、人工知能(AI)やテクノロジーの進歩によって人の感情を理解したり、テンポよくなめらかに会話したりと、驚くほどの進化を遂げているのです。
たとえば、ソフトバンクショップの店頭などにいるPepper(ペッパー)は、目が合うと自発的にしゃべりかけてきます。胸元にあるタブレット端末で、こちらが「して欲しいこと」を選ぶと、歌ったりクイズを出したりと、受け答えは愛敬たっぷり。
こうしたやりとりができるロボットが増えています。タレントの北野武さんが、寂しそうにロボットとお別れするテレビCMをご覧になりましたか。
ここに出ているPalmi(パルミー)は、富士ソフトが開発し、DMM.comが一般ユーザー向けに販売していますが、やはり積極的に話しかけてきます。「パルミー」と呼ぶと、顔をこちらに向けるしぐさや話し方がなんとも愛らしく、まるで生き物と接しているようです。
また、スマートフォンとロボットを合体させたRoBoHoN(ロボホン)のキャッチコピーは「ココロ、動く電話」。通話やメール送受信などのほか、会話ができ、ダンスも踊ります。
こうした最先端技術を満載したロボットは、まだ高額ですが、手ごろな価格帯のものも多数出てきています。
たとえば、おもちゃ会社ならではの遊び心で、安価に提供しているタカラトミーのオムニボットシリーズ。会話を楽しめるロボットのほか、猫や犬の形をしたペットロボットはとりわけ人気です。
しぐさを見たり話したりしていると、ペット代わりに購入する人たちの気持ちもわかります。ホコッと癒やされるのです。
一般家庭向けロボットに先んじて、すでに介護・福祉施設などで実績を上げているロボットもいます。産業技術総合研究所が開発したパロは、触れることでセラピー効果を発揮するロボット。すでに世界30カ国以上で約4500体(日本は約2500体)が利用されています。米国では神経学的セラピー用医療機器としての承認を得て、癒やしロボットとしてギネス世界記録にも認定されているのです。
複数の人とのコミュニケーションが得意なのはPALRO(パルロ)。施設では、高齢者と歌ったり、体操などのレクリエーションを自身の司会で進行したりと、お利口さんです。認知症予防などに貢献し、介護職員の負担軽減にも役立っています。
ロボットとの会話はまだ、人と人が自然に会話をするようなレベルにはありません。しかし確実に、人とロボットの距離が近づいていることを強く実感します。
(ライター・小野均)
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