銀行印にも可 犬猫イラスト入り判子「いぬずかん・ねこずかん」

 宅配便や郵便物の受け取りで日常的に使っている判子。その印面に、名前だけでなく犬や猫のイラストが付いた判子があるのをご存じですか? その名も、犬用は「いぬずかん」、猫用が「ねこずかん」。しかも銀行印としても認められている(※)とか。愛猫家・愛犬家の間で、ひそかに人気となっている。


 札幌市のTさん(48)は今春、「いぬずかん」を買った。選んだのは、飼い犬のこんぺい君(8歳)と同じポメラニアンの絵柄のもの。もともと「ねこずかん」の存在は知っており、いぬずかんの発売を知って「犬の飼い主としては買わないと」。


 届いた判子を早速ペタペタと押しているうちに、あまりの愛らしさに他にも欲しくなった。もう2本、追加購入した。


 3本の判子はいま、用途ごとに使い分けている。取引銀行に確認したら届け出印として使えると言われたため、一つは届け出印にした。あとは、荷物の受け取り用と、手紙の最後に押すサイン代わり。「自分のトレードマークのよう」と、満足げだ。


「銀行の窓口や郵便配達の人が印影を見て、『犬を飼っているんですか? 私も飼っているんです』と会話が広がったことが何度もあった」とTさん。「この判子がペット好きをつなげるコミュニケーションツールになっていると思う」とも話す。


 埼玉県在住のKさん(41)はトイプードルのルーバー君(6歳)を飼っている。今春、「いぬずかん」を買った。「このイラストはまるでルーバーそのもので、とても愛着がわいた」とKさん。


 インターネットショッピングを利用する機会が多いKさんは、主に荷物の受け取り印として「いぬずかん」を活用している。「判子を押す機会があれば、どんどん使いたい」

 

 「ねこずかん」「いぬずかん」を手がけるのは、印鑑メーカーの岡田商会(本社・大阪市)だ。インターネットで「ハンコズ」という通販サイトを運営している。今年1月に「ねこ」を、続いて3月に「いぬ」を発売した。


 企画したのは同社取締役部長の岡山耕二郎さん(39)だ。里親と猫の出会いの場である保護猫カフェを昨年1月に訪れたのがきっかけで、猫を飼いはじめた。「飼い主同士で交流するたび、並々ならぬ猫への愛情に驚かされた」。ならば印鑑メーカーとして、愛猫家に喜ばれる商品を、と考えたのが「ねこずかん」だった。イラストは、専属デザイナーである女性社員が手描きした。

 

 発売直後からウェブメディアを中心に取り上げられ、注文が殺到した。同社のフェイスブックには「これは欲しい」「長女の就職祝いにプレゼントした」とのコメントが寄せられた。「猫がこんなにも好まれるコンテンツだったのかと、とても驚いた」と、岡山さん。一方で「犬イラストのものはないの?」との質問があったことから「いぬずかん」の商品化を決めた。


 いまや、自分用としてだけでなく、出産祝いや母の日、父の日の贈り物としても喜ばれているという。岡山さんは「アイデンティティーを表現する印鑑に、猫好き・犬好きという個性を添えてみてほしい」と提案している。


 今回、sippoショップ限定で扱うのは、チタン素材の「いぬずかん」「ねこずかん」だ。チタンは耐久性に優れる金属で、印面が摩耗したり、万が一落としても縁が欠けたりすることがない。また、チタンは、埋め込み式の医療器具に使われるほど人体への適用性が高く、金属アレルギーの人にも安心だ。


「チタン素材の印鑑は一生使い続けられると言っても過言ではありません。さびることもなく、朱肉のなじみも良く、理想的な材質です」と、チタン製の「いぬずかん」「ねこずかん」判子に、岡山さんは「太鼓判」を押している。

 

※銀行の届け出印として使えるのは、ゆうちょ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、池田泉州銀行、イオン銀行。スルガ銀行は利用対象外となっている(岡田商会調べ、2016年6月現在)。

 

 

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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