気をつけたい犬の現代病 愛犬の口腔ケア、できていますか?

 犬の口腔の病気で最も多いのは歯周病です。なんと、3歳以上の犬の約80%以上が歯周病にかかっていると報告されています。歯周病は、症状が進行すると歯が抜けることがあります。すると愛犬は食事をとることが困難になって体力が低下していきます。また、歯周病を放匿すると歯周組織から細菌やその毒素が血液中に入り込み、心臓や腎臓などの他臓器に悪影響をおよぼすことが明らかにされています。

 このように全身性の疾患へと発展する恐れのある歯周病から愛犬を守るために、飼い主にできることは「ホームデンタルケア」です。


①口の周りを触ることに慣れさせましょう

 犬をリラックスさせた状態で口の周りを触り、その都度たくさんほめてあげましょう。これを何度も繰リ返して、「ロの周りを触れられると良いことがある!」と犬に認識させます。


②ガーゼを巻いた指を口の中に入れる

 実際に歯ブラシを使う前に、濡らしたガーゼで歯の側面をなでることに慣れさせます。


③歯ブラシを使う

 歯ブラシは小さめのヘッドで毛質の柔らかいものがオススメです。愛犬の好きな動物用ハミガキペーストなどを使って歯の表面を撫でるようにハミガキします。1日1回行うのが理想です。

 歯周病は進行性の病気です。毎日のホームデンタルケアで愛犬の口腔環境を整え、歯周病になるのを防いでいきましょう。

高垣育(たかがき いく)
1978 年福岡県生まれ。薬剤師。ライター。動物と人の医療に関わる記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿。著書に「犬の介護に役立つ本(山と渓谷社)」がある。

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