兵庫からも災害救助犬、逃げ遅れた人を捜索 熊本地震

被災地へ出発する準備をする消防隊員ら=16日午前、兵庫県姫路市
被災地へ出発する準備をする消防隊員ら=16日午前、兵庫県姫路市

 熊本県を中心に続く地震で被害が拡大する被災地。阪神・淡路大震災を経験した兵庫県などから現地入りしたボランティア団体の活動は、余震も続く中で難航している。西日本各地からは自衛隊や警察、自治体の職員らが続々と派遣され、企業も支援に乗り出した。

 

 NPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」(兵庫県西宮市)は15日から、熊本県益城町に先遣隊5人を派遣し、被災地の状況把握を進めている。
 

 現地入りした渥美公秀理事長によると、町内には全壊家屋が多く、日を追って大きくなる被害が被災者を疲弊させている。支援物資は届いているが、町職員も被災し、配布する人手の不足が目立つ。地元の社会福祉協議会がボランティアの受け入れ態勢を整えるのに、なお数日かかりそうという。渥美理事長は「なるべく早く支援のボランティアを組織したい」。
 

 15日に神戸市を出発したボランティア支援団体「ひょうごボランタリープラザ」。先遣隊4人は16日未明の地震もあって熊本入りを断念し、大分県別府市に入った。鬼本(おにもと)英太郎所長代理は「余震がひどく、安全面からすぐにボランティアを連れて行くのは難しい。当面は様子をみるしかない」と話す。
 

 NPO法人「日本レスキュー協会」(兵庫県伊丹市)が熊本に派遣した災害救助犬4頭と訓練士3人は、15日午前から益城町で倒壊家屋に閉じ込められた人の捜索にあたっている。住民の多くが離れた場所に避難しているため、逃げ遅れた人のいる家屋の情報がなかなかつかめず、活動は難航。がれきの片付けなどで戻ってきた住民に聞きながら、一軒一軒の安否確認をしているという。
 

 国際医療NGO「AMDA(アムダ)」(本部・岡山市)は、スタッフの医師ら6人が益城町の避難所で診療や食料品の配布にあたっている。保存食や医薬品が不足しているとの情報があるが、担当者は「支援物資は、ニーズがあるかを現地と事前に連絡を取って確認してほしい」と呼びかけている。

朝日新聞
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