犬のトリミングの必要性 体調管理にも大切

 人間の場合は、自分で髪を切れないために大半の人が美容施設を活用しますよね。もちろん、自分で切るよりも「おしゃれ度」は数段あがります。

 では犬の場合はどうでしょう。犬のトリミングは、おしゃれ度の問題ももちろんありますが、実は健康管理上とても重要な役割を担っています。

 まず、第一に皮膚のケア。

 毛で覆われている犬では、皮膚のトラブルが、動物病院にやってくる理由としてかなり多いです。一生洗わなくても大丈夫という犬種も一部いますが、長毛種などではそういうわけにはいきません。トリミングやシャンプーによって、皮膚を健康に保つ必要があります。

 第二に皮膚のトラブルを早期に発見してくれる、という役割があります。

 皮膚病には、皮膚が赤い、かゆい、フケっぽい、脂っぽい、乾燥している、などの症状があります。トリミングには、これらの症状をいち早く見つけることができる利点があるのです。

 それだけではありません。毛がたくさんあるために家では発見ができない皮膚のデキモノの早期発見にもつながります。デキモノのなかには、悪性腫瘍であったりするものが存在するわけです。

 第三に体調の管理です。

 動物病院に行くのはハードルが高く、1カ月に一度など定期的に通うのはなかなか難しいと思います。そんななかで、トリマーという「犬のプロ」の目に見てもらう意味は大きいです。トリマーに体調の変化に気付いてもらうことで、病気などを早期に発見することができます。

 トリミングをすることで、普段の生活では気づけない様々な異常を発見できる――。つまりトリミングは、犬の長生きにもつながるのです。

佐藤貴紀
1978年生まれ。白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師。日本獣医循環器学会認定医。 獣医師によるペット情報を動画配信中! シュガーペット:https://www.youtube.com/watch?v=4sp_caWbwPM&feature=youtu.be

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