イヌ・ネコの健康医療相談

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だらけきった猫(質問主)


猫アイコン 猫 11歳 オス 雑種

体重:4.3kg

飼育歴:10年0ヶ月

居住地:岩手県花巻市

飼育環境:室内

・数ヶ月前に尿道結石によりオシッコが出ず病院へ。注射やご飯の改善をされました。
・2ヶ月前ぐらい前から食欲を無くし、以前より2キロ減。
・水や餌を食べない為、黄疸の症状が出ており、そのように診断もされました。オシッコは注射もしてるので出てますが濃度が濃く真っ黄色もしくは茶色に近い色です。
・現在はチュールや子猫用の缶詰、水を無理矢理食べさせてます。病院も週に3回ほど行き、皮下点滴とオシッコが出る注射と吐き気留めの注射をし、家では黄疸の薬と胃を動かす薬を服用。
しかし、食べるのを嫌がり、ヨダレは最近凄い出るようになりました。
・体力も落ち、トイレをする以外はほぼ動かず、オシッコするときや歩く時に貧血ではと思うほどにフラフラです。
・背骨辺りの皮膚が内出血してるみたいに赤くなっており、獣医には皮下点滴による内出血かなー?と言われました。背中は撫でても痛がりません。
・舌も白い感じで、皮膚は黄疸のせいか真っ黄色です。
・日に日に本当に弱ってて、いつ旅立ってもおかしくない状態です。
・本当に黄疸だけの症状なのか気になってます。
セカンドオピニオンとしての意見を頂きたいです。

日時2021-08-18 12:21:26

専門の獣医師からの回答

急激な体重減少に加え,重度の黄疸の出現とご心配かと思います。
黄疸には,病態により肝前性,肝性,肝後性と3つに分類され,いずれにしても治療には黄疸が発現するに到った原因を治療する必要があります。
頂いた情報のみでは,今回の黄疸の原因を確定することはできませんが,尿石症により食欲不振を起こし,3割以上の急激な体重減少が認められているとなると,猫の肝リピドーシスを発症した可能性が高いのではと推測します。

猫の肝リピドーシスの発症原因の詳細は不明な点も多いのですが,肥満傾向の猫が何らかの理由で数日以上食欲不振が起こった場合には要注意の疾患です。
症状は黄疸と特徴的な臨床病理学的所見(ALPの上昇を特徴とする肝酵素異常)が認められ,肝臓の細針針吸引(FNA)による細胞診で概ね診断可能です。

猫の肝リピドーシスは適切な治療がなされなかった場合には致死的となります。
治療の主体は,十分な栄養補給に加えて嘔吐の抑制に加えて体液管理と肝臓保護が必要となります。
皮下出血の原因が肝不全による症状であれば,ビタミンKの投与も必要です。
最も重要なのは十分な栄養補給で,食欲不振の猫では通常チューブ(カテーテル)を用いた強制給餌が必要となります。
経鼻チューブでの給餌が不十分な場合には,食道チューブや胃瘻チューブ(PEG)を設置する必要があります。
いずれにしても極めて深刻な状態であることは間違いないので,かかりつけ医で手に負えないのであれば二次診療機関をご紹介頂いた方がよいかと思います。

日時2021-08-24 07:44:46

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