イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

チー(質問主)


犬アイコン 犬 11歳 メス ミニチュアダックスフンド

体重:5.5kg

飼育歴:11年2ヶ月

居住地:群馬県太田市

飼育環境:室内

今年2月から右目がチェリーアイになってしまいました。
2年程前から半年に一度くらいの頻度でチェリーアイが発症していましたが、今までは抗生剤・止血剤・消炎剤の服用、注射、点眼薬の使用等で炎症は治まっていました。
しかし今回は前述の治療をしても良くならず、治すには手術が必要なようです。
かかりつけの獣医師さんがおっしゃるには「見た目は痛々しいが本人は痛みや痒みもあまり感じていないし手術するまでではない」とのこと。
念のため他の病院でも診察をしてもらったところ、そちらの獣医師さんは「チェリーアイを放置していると48%の確率でドライアイになる、本人も違和感があると思うし手術はしたほうがいい」との回答でした。
お二人の意見が正反対のため、どうすればよいのか決断ができません。
手術するべきか、しなくてもよいのか、助言をいただければ幸いです。
また手術するとなりますと、11歳のシニア犬のため全身麻酔の影響も不安です。
できれば外科的処置をせずに治せればと思うのですが、チェリーアイ発症から3ヵ月も経ってしまっている場合は難しいのでしょうか。
ご教示の程お願い申し上げます。

日時2020-05-15 10:50:25

専門の獣医師からの回答

回答させていただきます。

まず、チェリーアイを放置すると、ドライアイになるので手術すべきというのは真実です。なぜ、ドライアイになるかというと、涙の多くが瞬膜腺(チェリーアイとして脱出している部分)作られるため、そこが露出することで、腺組織が委縮してしまうためです。確かに全身麻酔によるリスクは存在しますが、外科疾患ですので、内科的には困難と考えます。今までは内科的に治癒していたようですが、腫れた瞬膜腺が小さくなることで、元の位置に一過性に戻っただけですので、真の意味で治っていたわけではありません。

なお、長期にわたってチェリーアイが存在していた事から、ある程度涙を作る組織にダメージが残っていると推察されますので、手術をしてもドライアイになるリスクはあります。よって、術後も定期的に涙の検査はしていった方がいいと考えます。

また、通常チェリーアイは、痛みや痒みがある疾患ではないため、本人は無症状であることがほとんどです。もし、症状が出るようであれば、それはドライアイが発症しているものと考えます。

眼は、生命とは関係のない組織であると共に、代替のない組織でもあります。あとは、全身麻酔のリスクをとるか、病気の治療へリスクを許容するかは、飼い主さんの判断だと思います。そのあたりは、主治医の先生と十分話し合って下さい。

ご参考になれば幸いです。

日時2020-05-16 21:45:02

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