相談・獣医師回答・コメント
獅子(質問主)
犬 13歳 メス ポメラニアン
体重:7.5kg
飼育歴:12年3ヶ月
居住地:愛媛県松山市
飼育環境:室内
定期健診で甲状腺の値が計測不能なほど低く、10月頃から甲状腺機能低下症の治療のため、服薬をはじめました。最初チラージン100μgを朝夕、1か月毎の検査でまだ数値が低いため現在は、朝200μg 昼100μg 夜100μg あげています。
服薬前より、すぐ下痢をする子ではありましたが、最近、多飲多尿、あまりに呼吸が苦しそう(時々笛のような音あり)、散歩が極端に減り、とてもしんどそうなため、かかりつけ医に行ったところ、クッシングかもしれないとの事で検査の予定です。
調べてみたところ、クッシングも内分泌系のホルモン系の疾患であることを知りました。
現在、甲状腺ホルモンの投薬をしていますが、そもそも甲状腺の数値が低かったのは、クッシングの脳下垂体や副腎が原因だった可能性はないのでしょうか?
だとしたら、不要な薬をあげ続けていることになり、余計に体調を悪くしてしまっている気がします。
近日の検査でクッシングに当てはまる数値に異常があったとしても、甲状腺ホルモン剤の服薬によって異常な数値が出てしまっているのではないかと思いますが、そのようなことはあるのでしょうか。
しっかりと原因を調べたい場合、現在の状態のまま検査しても大丈夫なのでしょうか?しばらく服薬を止めるなどして、日数を開けて検査したほうが良いのでしょうか?
2020-02-13 18:27:25
専門の獣医師からの回答
愛犬がホルモン異常の可能性があるとのこと、ご心配のことかと思います。甲状腺機能低下症は診断が難しく、無症状の動物で甲状腺ホルモンを測定すると過剰診断のもとになると言われています。おっしゃられるように、クッシング症候群が存在する犬では甲状腺ホルモンが低値を示します。同様に様々な慢性疾患において甲状腺ホルモン値は低下します。これはユーサイロシックシンドロームと言って、病気になった時に代謝を落として消耗を抑える自然の仕組みのためです。クッシング症候群が実際に診断された場合は甲状腺機能低下症の診断を見直す必要があるでしょう。
甲状腺ホルモンの投与に関しては、心疾患のある動物では代謝に上昇によって悪化するリスクがあると言われているものの、実際には副作用はほとんど問題にならないと考えられます。甲状腺ホルモンに投与によって症状が悪化したと考える必要は低いでしょう。
また、甲状腺ホルモンの投与を行っていても、クッシング症候群の診断治療に影響がでることはないと思われます。愛犬の症状が快方に向かうことをお祈りしております。
2020-02-15 00:06:01
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