イヌ・ネコの健康医療相談

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ベック(質問主)


犬アイコン 犬 13歳 オス ミニチュアダックスフンド

体重:6kg

飼育歴:11年0ヶ月

居住地:北海道帯広市

飼育環境:室内

2年前から原因不明の鼻炎になり色々調べた結果
クッシング(下垂体原因の可能性)が見つかり現在1日2回アドレスタンを服用しています。
胆泥症もありスパカールも服用しています。
半年前からは脱毛も酷くなり毛も生えなく抜けるいっぽうです。
食欲はありますが寝てばかりで元気がありません。
病院も毎月通っていますが
薬を服用しての経過観察、
肝臓数値をみる血液検査と
定期的にホルモンの検査のみで
クッシングの治療はこんなものなのかなと思っていましたが
日に日に弱っていくのを見て
他に治療はないものか、
病院を変えても治療法は同じなのか
それともクッシングによる脱毛、
鼻炎の治療方法が他にまだあるのか
アドバイス頂けないでしょうか。

日時2019-01-04 11:32:19

専門の獣医師からの回答

クッシングの犬では副腎皮質ホルモンが過剰に分泌するため,
多飲多尿や食欲亢進,脱毛や腹部膨満などが起こります。
また,多くの場合,肝酵素異常を伴う肝腫大が認められ,高脂血症や高血糖などもしばしば認められます。
さらにクッシングの犬では免疫力が低下していますので,慢性感染症も起こりやすくなります。
胆泥はクッシングの犬で高頻度に認められ,単純な胆泥より深刻な胆石や胆嚢粘液嚢腫に進行する場合もあります。
また,下垂体性副腎皮質機能亢進症の原因の多くは下垂体腺腫(脳下垂体の良性腫瘍)であり,その場合,時に脳腫瘍が巨大化して,脳腫瘍の症状により一般状態が悪化する場合もあります。
下垂体性副腎皮質機能亢進症の治療としては,下垂体切除術とホルモン補充療法を行うか,現在行われている高コルチゾール血症の改善薬を投与するかいずれかになります。
アドレスタン投与による治療では,効果判定のためACTH負荷試験を定期的に行い,高コルチゾール血症が改善されているかどうかをモニターしますが,うまくコントロールされれば,高コルチゾール血症はもちろんのこと,多飲多尿や肝酵素ならびに脱毛も改善します。
治療を行っていても脱毛が進行し,衰弱が進行とのことであれば,アドレスタンによる治療が不十分な場合と,他に併発症がある可能性を考慮すべきかもしれません。
いずれにしてもクッシングの犬ではいろいろな合併症が起こりやすいので,その原因を調べる必要があるかもしれません。
慢性鼻炎に関しては,鼻汁の細菌培養を行い,細菌感染を伴う場合には,感受性検査に基づいて抗生物質を投与する必要があります。
最後にセカンドオピニオンを希望される場合には,これまでの治療内容や検査結果の推移が重要となります。
このため,主治医の先生とよくご相談の上,これまでの治療経過の分かる紹介状を頂くことが重要かと思います。

日時2019-01-09 16:15:47

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