相談・獣医師回答・コメント
くみっくす(質問主)
犬 9歳 オス ビーグル
体重:8.5kg
飼育歴:8年6ヶ月
居住地:奈良県奈良市
飼育環境:室内
我が家の愛犬(ビーグル犬、9歳、女の子)が、IBDと診断され、食事療法のことで悩んでいます。
消化器症状、浮腫は一切ありませんでしたが、健康診断にて、
2017年3月アルブミン2.1より
2018年3月アルブミン1.6低下認められたため、
4月内視鏡生検施行し、
胃、小腸のリンパ球形質細胞性腸炎(中等度)と診断。胸腹水なし。
その後、食事療法開始
ロイヤルカナン アミノフォーミュラを1ヶ月半摂取しましたが、嗜好に合わなくなり、ハンスト開始。
ドッグフードを白湯でふやかす、トッピングをするなどで、どうにか食べてくれていましたが、徐々に摂取量減少し、ついに食べず。
主治医受診し、再検査にて、
2018年6月アルブミン1.6不変。
受診日当日朝より、下痢が出現し、フラジール内服開始。
ロイヤルカナン→Dr.ケアアミノプロテクトへ変更
6/12〜13水様下痢便
6/14〜15泥状下痢便
6/16ソフトクリーム様
6/17軟便
6/18普通便
下痢改善に伴い、食欲回復し、昨日6/16夕食より規定量を摂取可能となりました。
浮腫はありませんが、やや易疲労感あるような?(気候の変化、暑さが原因?)
もともと、食いしん坊で、今まで出会ったビーグルの中でも一番食いしん坊です。
食事は、Dr.ケアのアミノプロテクトを鰹出汁で匂い付けして食べていますが、
おやつを与える際、どのような種類のものを与えてもいいのでしょうか??
今はとりあえず、さつまいもを蒸したものを少しずつ与えています。
ロイヤルカナンを食べなくなった時に、トッピングで何とか食べさせていた……と主治医に伝えると、トッピングをするとせっかくのアミノ酸分子レベルの食事を与えている意味がないと言われ、意味が分からず、食べて良いもの、悪いものの判別がつかず、
また今後の治療の流れは、どのように進めて行けば良いのかなど、分からないことだらけで、
愛犬に何かしてあげたい気持ちがイッパイある分、ジレンマと疑心暗鬼になり、困っています。
主治医に質問し、治療計画や生活における注意事項を説明を求めても、曖昧で、後出しのように情報を提供してくるので、信頼できなくなっている現状です。
奈良在住なのですが、消化器疾患やIBDにおける専門医や経験豊富な獣医さんのおられるクリニックなども知りたいです。
2018-06-18 09:36:00
専門の獣医師からの回答
1年以上前からの中等度から重度の低アルブミン血症を呈し,内視鏡検査で中等度のリンパ球形質細胞性腸炎が確認された愛犬の食事に関するご相談と理解致しました。
リンパ球形質細胞性腸炎の診断ですが,病理検査における中等度という記載は,臨床的にはかなり重度な病態であると理解して頂く必要があると私は考えています。
そもそもリンパ球形質細胞性腸炎は,病理診断名なのですが,その原因や詳細な病態は不明な点も多く,人のクローン病に近い病態のこともあります。
いずれにしても免疫が関与している可能性が高い病態ですので,食事としてまずは低アレルギー食を試してみる価値はあります。
その場合,理想的にはアレルゲンフリーの食事を試したいため,蛋白を加水分化して低分子にしてある食事を選択することが多く,今回の処方となったかと思います。
アレルギー除去食を与える場合の注意点として主治医の先生に言われたように,アレルゲンを含む可能性のある他の食材を同時に与えると全く意味がありません。
うっ血性心不全の患者様が用意された減塩食の味がうすいからと塩やお醤油をいっぱいかけて食べたのでは減塩にならないとのと同じです。
本題に戻りますが,愛犬のリンパ球形質細胞性腸炎の病態に,低アレルギー食があっているかどうかは試してみないとわかりません。
結果的に低アレルギー食で下痢をしたり,その結果低アルブミン血症が進行してしまえば,その食事はあっていないと考えるのが普通です。
本症においては,私も最初に低アレルギー食を試すことが多いのですが,リンパ管拡張などを併発している場合には,脂肪分の制限されていない加水分解食で消化器症状が逆に悪化することも少なくありません。
その場合には,早々に低脂肪食に切り換えることが一般的です。
なお,食事については低脂肪食をベースに選択するとして,すでに深刻な低アルブミン血症が起こっている場合,食事療法のみでのコントロールは難しいことが多く,
次のステップとして抗炎症薬としてステロイドやその他の免疫抑制剤を使用します。
現在アルブミンがどの程度かが不明ですが2.5g/dl以下であれば,より積極的な治療をお勧めします。
基本的には不治の病であることがことが多いのですが,投薬と食事療法で病態をうまくコントロールできれば,症状のなく長期延命が可能です。
膵炎や腸リンパ管拡張の合併やステロイドの副作用などもしばしば問題となるため,定期的に検査を行いながら投薬量を調節することが必要となります。
今回のご相談のように内科的に長期治療が必要となるこのような疾患において専門的な病院を選ばれる場合には,治療効果の判定を含め投薬の調整など,病態が落ちついた後も年に数回は定期健診が理想となります。
その当たりの問題もよく考えて専門病院を選ぶ必要があります。
具体的な専門医や動物病院をお聞きになりたいかと思いますが,残念ながら消化器疾患の専門医制度は,日本にはなく,またこのようなWeb上で特定の獣医師名や動物病院名をご紹介するのは公益上難しいことをご理解下さい。
より専門的な病院への紹介は,やはりホームドクターで相談されるのが理想的です。
それが可能であれば,これまでの検査結果や治療歴をまとめて頂き,セカンドオピニオンがスムーズになるかと思います。
2018-06-21 17:17:29
くみっくす(質問主)
早急に分かりやすく丁寧な返信、ありがとうございます。
6/12よりフラジールラ内服開始、ドクターズケアアミノプロテクトに変更、
6/16日頃より普通便、食欲良好でほぼ全量摂取できています。
次回採血は6/26なので、最終採血は6/12アルブミン1、6で不変のままだったので、不安要素はありますが、
愛犬の体調が見た目ですが回復傾向にあることに加え、病態生理が少し理解できたことで、やや不安は軽減されました。
食事について再度質問なのですが………
現在、朝夕45gずつドクターズケアアミノプロテクト、おやつとしてごく少量さつまいも(蒸し)を細かく刻んで与えているのですが、
おやつとして摂取しても構わない食材があれば知りたいです。
2018-06-23 09:02:14
専門の獣医師からの回答
sippo編集部からのお知らせ
sippo編集部です。
ご利用いただきありがとうございます。
健康医療相談は実際に動物を診察しているわけではありませんので
これ以上、細かなご質問をいただいても獣医師もお答えしかねるかと思います。
実際診察されている獣医師によく相談されるか、
より専門性の高い診療機関で受診されることをおすすめします。
よろしくお願いいたします。
2018-06-27 11:51:37
くみっくす(質問主)
いつも早速で丁寧な返信ありがとうございます。
昨日、再診にてアルブミン1.7……
前回二週間前に比べ、ほんの僅かのみの上昇でしたが、下痢が治り、ご飯をちゃんと食べられるようになってから、10日間程度なので、下がってなくて良かったと思うのと同時に、たったこの0.1の上昇が、希望の光だと強く感じました。
また、主治医へも今自分が考えていること、疑問や不安に感じてることをぶつけ、丁寧に対応してもらえたことで、疑心暗鬼だった心も晴れました。
幸いなことに消化器症状や胸腹水の貯留もなく、食欲、活気良く過ごさせて頂いています。
治療のステップアップには、私自身まだ踏み切れず、先生とも相談し、現行の食事療法を続行し、1ヶ月毎の健康診断、消化器症状の出現やその他の受診する運びとなりました。
おやつにやアレルギー検査について相談しましたが、
飼い主の自己満足で、この子を苦しめることになると指摘され、
その通りだと思いました。
おやつ以外の愛情で、この子を満足させること、強い気持ちで、この子と二人三脚で、病気を乗り越えていこうと思います。
たくさん相談に乗っていただき、丁寧に回答して下さったことで、
前向きに一つずつ丁寧に向き合っていく気持ちを取り戻すことができました。
本当にありがとうございました。
2018-06-27 12:43:42
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