ペット共生社会の実現へ、麻布大と旭化成ホームズがタッグ 寄付講座を開設
ペット共生社会の実現をめざし、旭化成ホームズが麻布大学(神奈川県相模原市)に寄付講座を開設します。4月22日に麻布大学と協定を結び、記者会見を開いて発表しました。
寄付講座は、都市でのペット共生社会を実現するために、住まいづくりだけでなくコミュニティづくりも目指します。ペットと人の間にうまれる絆のメカニズムを分析したり、ペットと暮らすことが人の健康や心理面でどんなメリットがあるのかを研究したりします。さらにペット共生の壁となる課題への解決策も提案します。この日の会見で旭化成ホームズLONGLIFE総合研究所の河合慎一郎所長は、「研究だけでなくその成果を社会で実現することに取り組んでいきたい」と話しました。
麻布大学は、獣医学の教育や研究から始まった今年130周年を迎える歴史ある大学で、人と動物と環境の共生をめざした教育活動を行っています。そして旭化成ホームズは1998年に社内で「ペット研究会」を立ち上げて、家族の一員であるペットと暮らす住まいづくりを進め、さらにペットとの暮らしのサポートも続けてきました。
以前から両者ともペット共生社会をめざした取り組みを続けており、会見では今回の寄付講座開設の背景として、「(両者の理念が)大変親和性が高く共鳴し合うものだということが、意見交換するうちに分かってきました」(旭化成ホームズLONGLIFE戦略推進本部の野口豪之本部長)、「旭化成ホームズさんが目指されている社会の方向性と、(麻布大学の目指すものが)マッチしていて、寄付講座につながったと思っています」(麻布大学の村上賢学長)と、双方の思いが一致していると説明しました。
企業と大学が協力することで、どんな効果がうまれるのでしょうか。
会見で、麻布大学の菊水健史副学長はこれまでの研究結果として「良い地域をつくるには、ペットの介在が欠かせない要素になるだろう」と話し、続けて「これまで麻布大は、調査はしてきましたが、何かをつくるということはしていませんでした。寄付講座により、今後は住みよい街づくりを提供できるのではないか」と今後の取り組みに期待を寄せました。また旭化成ホームズも「社会貢献をしていくときに、(自社)単独では影響力が限られてくることがありました。麻布大学と共同して研究することで社会貢献していきたいです」(野口本部長)と抱負を語りました。
寄付講座の期間は2025年4月から3年間です。研究の成果は、学会やメディアなどでも発信を行う予定です。
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