小学生の通学見守り 人懐っこいセラピードッグ「ラブ」に感謝状

感謝状を受け取った菅あけみさんとラブ
感謝状を受け取った菅あけみさんとラブ

 小学生の通学を見守り、地域の交通安全に寄与したとして、愛媛県東温市の主婦・菅(かん)あけみさん(70)と愛犬のラブ(7歳)が、松山南署から感謝状を贈られた。ラブのおっとりとして人なつこい性格が子どもたちに親しまれているそうだ。

 ラブは、メスのゴールデンレトリバー。ふれあった人の心や体を癒やす「セラピードッグ」として育てられている。週に1度、近くの老人ホームに行って入所者とふれあう。菅さんは「ラブはおっとりとした性格。最初は怖いと言っていた人も、最後には『また来てね』と抱きしめてくれます」と話す。

 菅さんは小学校教諭を退職後、ボランティアで小学生の見守り活動をしている。怖がりだったもう1匹の飼い犬に代わり、ラブは生後7カ月のころから、見守り活動に加わった。

 菅さんとラブは月に数回、学校近くの横断歩道で見守る。ラブを見つけた子どもたちは「行ってきます」と声を掛けてくれるという。ラブをなでるだけでなく、鼻をつまんだり、しっぽを引っ張ったりする子はいるが、「ラブは絶対怒らない。『あたしはなんにもしないから、どうぞ』って気分なんでしょうかね」と菅さんは笑う。

 集団登校をせず、ひとりで学校に歩いていく子どもを見ると、ラブはそばに寄っていくという。「『ラブちゃんがおるなら行こうか』と思ってくれる子もいるみたい」。ラブのリードを握って校門まで行く子もいるそうだ。

 中学や高校に進学した子どもたちも、街でラブを見かけると声をかけてくれる。菅さんは「子どもたちとのつながりがずっと続いているのがうれしい。私も体が続く限り、ラブと見守りをしたい」と話す。

 9月24日、菅さんは松山南署で永井孝署長から感謝状と鶏ささみジャーキーを受け取った。永井署長が「ラブちゃんは非常に落ち着いていますね。これからも見守りをよろしくお願いします」と話すと、ラブは菅さんと一緒にお辞儀をした。
(照井琢見)

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