備前市、ふるさと納税で野良猫のTNR推進 不妊去勢手術費を助成
野良猫の多さに悩む岡山県備前市が今年度から、不妊去勢手術の費用の助成を始めた。ふるさと納税の一つでインターネット経由で募る「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を活用。7月1日から寄付を募ったところ多くの好意が寄せられ、目標100万円を3週間余りで達成した。
備前市は漁港がある日生地区など魚を扱う場所が多く、周辺に餌を求め住み着いた野良猫が多い。2017年には広島市のNPOが、捕獲した野良猫約70匹に不妊去勢手術をする取り組みをしたことがある。
事業は「猫の命に寄り添うTNR推進プロジェクト」。TNRは、主に野良猫の捕獲(Trap)、不妊去勢手術(Neuter)、元の場所に戻す(Return)を意味する。不妊去勢手術費を希望する市民や動物愛護団体などに1匹5千円を上限に助成する。
無秩序な繁殖を減らし、住民間のトラブルの解消にもつなげる狙いで、市は今年度、計200匹の申し込みを見込む。手術済みかどうかを識別するために耳をカットする運用で、屋内飼育する人への猫の譲渡も調整する。
返礼は設けず、募集期間を7月1日~9月28日に設定して寄付を募り始めたところ、7月23日に目標の100万円が集まった。寄付は現在も受け付けており、残余分は来年度以降に繰り越す。
市保健課によると、市内では沿岸部に限らず、餌やりや糞尿(ふんにょう)に対する相談が目立ってきている。苦情や相談件数は年々増えているという。
市はすでに助成を始めており、助成を希望する場合は手術をする1カ月前に担当窓口へ申請する必要がある。プロジェクトやGCFの詳細は(https://www.furusato-tax.jp/gcf/562)にある。問い合わせは、市保健課健康係(0869・64・1820)へ。
(雨宮徹)
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