人と猫との共生めざす 神戸市が独自のガイドライン
人と猫が共生する社会の実現に向け、飼い方などをまとめた神戸市独自のガイドラインができた。地域での猫のトラブルを抑えつつ、他の政令指定市に比べて高い殺処分率を下げることが狙いだ。
市生活衛生課によると、2015年度に引き取った768匹の猫のうち、673匹が殺処分された。88%の殺処分率は、全国の政令指定市で最も高かった。
引き取られた猫は、約9割が生後3カ月未満の子猫だった。飼育放棄された飼い猫が野良猫となって繁殖を繰り返し、生まれたばかりの子猫が届けられるケースが多いという。ふんの臭いや「車に傷をつけられる」といった地域でのトラブルにもつながり、年に500件近い苦情が市に寄せられている。
そこで市は17年4月、「人と猫との共生に関する条例」を施行。野良猫の繁殖を防ぐため、届けられた猫の不妊・去勢手術を公費で全額負担することにした。条例に基づき組織された市獣医師会やNPOなどでつくる「人と猫との共生推進協議会」が、その活動を担っている。
手術を受けた猫は、その証しとして耳にV字の切り込みが入れられて「地域猫」として地域に返される。市の登録を受けた地域の有志団体などが餌やりやふんの処理といった世話をしている。譲渡活動も進められており、17年度の殺処分率は58%まで下がった。
今回のガイドラインは協議会が作った。猫をとりまく現状や生態▽寝床やトイレの準備の仕方などの飼い方▽行方不明になったときの連絡先▽飼えなくなった場合の相談先▽不妊・去勢手術の方法――などを紹介し、地域猫活動の取り組みにも触れている。
ガイドラインは市のホームページのサイト内検索で「神戸市人と猫との共生に関するガイドライン」と入力すれば見ることができる。
猫の譲渡に関する問い合わせは協議会(078・262・1157)。
(野平悠一)
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