猫は好きですか? 空前のブームに冷めた声も

 「空前の猫ブーム」が続いていると言われます。推計飼育数で猫が犬を初めて上回ったと、ペットフード協会が昨年暮れに発表し、留飲を下げた愛猫家も少なくないでしょう。メディアにも連日、愛くるしい猫の映像があふれ、年間の経済効果は2兆円を超すという試算もあります。このブームは歓迎されているのでしょうか。

猫はかわいい、でも苦手な人も
猫はかわいい、でも苦手な人も

猫がいてくれるだけで幸せ

 猫が好きか否か。「はい」と答えた猫派が「いいえ」とした非猫派を上回ったものの、差はわずかだった。

 まずは、愛猫とのふれあいを熱っぽく語る猫派の回答。「悲しい時やつらい時、体をピタリと寄せてなぐさめてくれた」(愛知、57歳男性)、「かわいいということ以外は何の役にも立たないけど、いてくれるだけで幸せ」(東京、39歳女性)。

 猫の魅力はいくつもある。「自由気ままな猫の生き方に引かれるのは、人間社会にしがらみが多いためかも」(大阪、49歳男性)、「昔、妹と取っ組み合いのけんかをした時、飼い猫が間に入り『やめなさい』と言う感じで低く鳴いた」(滋賀、54歳女性)、「猫はさほど手がかからず、高齢化時代で一人暮らしのお年寄りには猫がうってつけ」(広島、70歳女性)。

 非猫派の回答は、見た目の怖さや犬との比較がいくつかあった。「猫の目が嫌い。夜に見るとビクッとする」(兵庫、55歳男性)、「犬は盲導犬、警察犬、救助犬として人間に役立っている。猫が何に役立つのかを聞いたことはない」(大阪、70歳男性)。

 非猫派が挙げた理由の上位二つは、野良猫の糞尿(ふん・にょう)とさかりの鳴き声の迷惑だった。「花壇や畑の草引きをしてきれいにすると、必ず近所の猫がやって来てふんをし、脚で土を掘り上げる。一番頭に来るのは種をまいたばかりの時だ」(山口、74歳男性)、「野良猫のさかりのついた鳴き声は安眠妨害」(長崎、72歳男性)と、日常生活での被害を訴える声が続いた。

 アンケート回答者1733人は男性56%、女性44%。男性で「はい」と答えた人が46%だったのに対し、女性は60%にのぼった。猫の島で知られる福岡県・相島で野良猫の生態調査を続け、猫をめぐる文化にも詳しい山根明弘・西南学院大学准教授は「猫のしなやかで優美な姿形は美の象徴でしょう。同様に体形や物腰の美しさを意識する女性が猫に引かれるのかもしれません。男性は自分が猫好きと言うのがはばかられるのかも。猫柄の服やグッズを身につけるのには、少し勇気がいりますからね」と分析する。

「騒ぎすぎ」と違和感も

 世間は猫ブームをどう感じているのか。「たいへんうれしい」「まあまあうれしい」と好感をもつ人が約2割だったのに対し、「騒ぎすぎだ」「やめてほしい」と違和感を抱く人は4割。冷めた見方が多数となり、猫派からも「猫ブームで猫の値段が高騰していると聞く。一方、飼うことができなくなり、捨てられる猫もいる。一時のブームに乗らず、責任をもって飼えるかどうかの判断は大事」(静岡、50歳女性)との声が寄せられた。

 山根さんは約4割の「何とも思わない」に注目する。「日本人にとって、猫は最も身近な動物のひとつで、昔から猫グッズがあふれていました。招き猫、人間の言葉をしゃべるアニメの猫などです。猫ブームだからと言って騒ぐほどのことではないと感じているのかもしれません」

 アンケートでは、猫にちなんだキャラクターで、好きなものを選ぶ設問も作った。トップ5は(1)ドラえもん(2)ハローキティ(3)「サザエさん」のタマ(4)「トムとジェリー」のトム(5)「となりのトトロ」のネコバス。猫派と非猫派で大きな違いはなく、「生き物の猫は苦手ですが、ドラえもんなどには非常に親しみを感じる。実際は、猫は苦手ではないのかもしれない、と気づかされました」(香川、49歳男性)。

 (辻岡大介)

朝日新聞
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